1999 Fiscal Year Annual Research Report
犬の性腺刺激ホルモン放出ホルモンに対する免疫学的避妊法に関する研究
Project/Area Number |
09460147
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
筒井 敏彦 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (40060529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掘 達也 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助手 (80277665)
河上 栄一 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (80139352)
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Keywords | 犬 / 避妊 / 抗GnRH / 卵巣 / 精巣 |
Research Abstract |
犬の免疫学的避妊のため、conjugated-GnRH+adjuvantの投与を行うと、GnRH抗体価の上昇に伴って上位が抑制され、雌犬では発情の阻止、雄犬では精巣容積の減少および無精子症が認められた。しかし、これらの避妊効果は数ケ月で、その後、抗体価の低下に伴って、雌雄ともに繁殖能が回復する。今回は、この避妊処置を繰り返し行うことが可能であるか、また、長期に維持することが可能であるかを検討した。合わせて、Freund's adjuvantに代わる、炎症の少ないadjuvantの検討を計画した。そこで、抗原として長期に刺激を与える方法としてC-GnRHをシリコンに包埋して、これを皮下に移植する方法を検討した。実験として、(1)C-GnRH移植+adjuvant(2)C-GnRH移植+C-GnRH+adjuvant(3)以前に免疫処理した犬にC-GnRH移植 (4)adjuvax、MPL+TDW+CW、Alum、Alum+MDP+squaleneのadjuvant効果について検討した。 その結果、(1)では、抗体価の上昇が見られなかった。(2)、(3)で抗体価の上昇および維持が認められた。(4)Freund's adjuvantに代わるものは認められなかった。 以上のように、GnRHによる免疫学的避妊には、C-GnRH注射とC-GnRH移植剤の併用によって、避妊期間をコントロールできる可能性が示唆された。しかし、臨床応用には抗体価の上昇のための炎症の少ないadjuvantの開発が必要である。
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