1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460152
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
縄田 栄治 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30144348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (80183804)
堀江 武 京都大学, 農学研究科, 教授 (90181528)
桜谷 哲夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (00260612)
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Keywords | 東南アジア大陸部 / 紅河デルタ / 東北タイ / 農業資源 / 収量モデル / 水収支 / 資源利用効率 |
Research Abstract |
東南アジア大陸部特に東北タイとベトナム紅河デルタの農業資源を評価するため、海外での実験・調査により実施された結果の供与を受け、国内で分析を行うと同時に、国内実験の結果と比較検討した。 両地域の生産力評価を目的とした稲作シミュレーションモデル構築のための実験を行った。品種KDML105を用いて発育予測モデルSIMRIWのパラメータを推定した。推定したパラメータを用いたモデルにより実際の生長及び収量をよく説明できた。また、紅河デルタ主要12品種のパラメータ推定のための圃場試験を開始した。紅河デルタの冠水被害推定モデル構築のための圃場試験で得た結果を基に、登熟期以降の冠水害の推定が可能であることを明らかにした。 気候資源の利用効率を評価するため、東北タイにおいて、サトウキビ圃場の水収支を測定した結果を基に分析を行い、乾季の蒸発散量が1日当たり約1mmであること、にもかかわらず乾季中の土壌水分の減少が約14mmであること、土壌下層からの浸透湧出が相当あり、植物が水ストレスを受けていないことが明らかになった。このことから、雨季に土壌中に貯留された土壌水分がサトウキビの初期生長に有効に利用されていることが示唆された。 東北タイ206地点の水田・畑で土壌水分・生育の3週間毎のモニタリングで得た結果を基に分析を行い、イネが作季平均土壌水分の低い地点に、キャッサバが高い地点に、サトウキビが両者の昼間的な地点に分布することが明らかになった。また、イネの作付時期、方法と水条件から、3タイプの農家(移植、直播、条件によりどちらか)毎に耕起と移植・播種の時間的関係を分析し、作付時期推定モデルの基礎資料を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 河野泰之・宮川修一・C.Noichana・A.Sributta: "東北タイにおける天水田水稲作の作付け時の水条件" 熱帯農業. 41・別2. 15-16 (1997)
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[Publications] 小寺昭彦・柳沢雅之・縄田栄治・桜谷哲夫: "収量推定モデルを用いたベトナム紅河デルタ地域の水稲生育環境の評価" 熱帯農業. 41・別2. 47-48 (1997)
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[Publications] 桜谷哲夫・縄田栄治・渡邊恆太・A.Sributta・C.Noichana: "東北タイ・サトウキビ圃場における生育と水・熱収支特性" 熱帯農業. 42・別1(未定). (1998)
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[Publications] 渡邊恆太・縄田栄治・河野泰之・富田晋介・桜谷哲夫・C.Noichana・A.Sributta: "東北タイにおける主要3作物の作付分布要因" 熱帯農業. 42・別1(未定). (1998)