1998 Fiscal Year Annual Research Report
メタノール酵母単膜系オルガネラ形成の分子機構とソーティング・エンジニアリング
Project/Area Number |
09460156
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 昌之 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (50212254)
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
加藤 暢夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026556)
|
Keywords | メタノール資化性酵母 / 異種遺伝子発現系 / Candida boidinii / Pichia pastoris / オルガネラ / ペルオキシソーム / 液胞 / オートファジー |
Research Abstract |
メタノール酵母単膜系オルガネラであるベルオキシソームと液胞は細胞内体積の大部分を占めているオルガネラである。ぺルオキシソームの形成機構を蛍光脂質を用いて解析している通程で、赤い蛍光色素であるFM4-64が液胞膜を特異的に生きたままで染色できることを見いだした。そこでぺルオキシソームターゲティングシグナルであるPTS1-を付加した緑色蛍光タンパク(GFP-PTS1)でぺルオキシソームを、FM4-64により液胞膜を、二重蛍光染色したメタノール酵母細胞を用いて、一度メタノール培地によって誘導しぺルオキシソームが、その代謝にぺルオキシソームが不要となったグルコースやエタノール培地に移した時にぺルオキシソームが分解されていく様子を、生きたままで観察することに世界で初めて成功した(Y,Sakai et al.,J.Cell Biol.,141,625(1998))。その結果、グルコース培地に移したときにはぺルオキシソームを液胞が直接取り囲むミクロオートファジーが、エタノール培地に移したときにはぺルオキシソームがまずオートファーゴソーム膜によって取り囲まれ、その後でオートファーゴソーム膜と液胞膜とが融合することによって起こるマクロオートファジーが起こることがわかった。ベルオキシソームの分解(peroxixome autophagy)をミクロオートファジーによって起こすことができないpag変異株(pag1-pag6)を取得した。このうち、pag4及びpag5変異株はマクロオートファジーによる分解も阻害されていた。pag変異株は、異種遺伝子産物をぺルオキシソーム・液胞内に蓄積させるために、極めて有効な手段・材料を提供するものと考えられる。一方、ぺルオキシソーム内に蓄積させるための有用な異種遺伝子産物として、糖尿病診断に有効なカビ由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FLOD)について検討している。本cDNAを大腸菌内で発現させると細胞毒性を示し、高い生産性を得ることができなかった。本酵素のカビ細胞内での局在性を調べるとぺルオキシソームに局在していることがわかった。今後、メタノール資化性酵母のぺルオキシソーム内で生産することを目標として研究を行っている。
|
-
[Publications] Y.Sakai et al.: "Peroxisome degradation by microautophagy in Pichia pastoris: Identification of specific steps and morphological intermediates." Journal of Cell Biology. 141 (3). 625-636 (1998)
-
[Publications] Y.Sakai et al.: "Regulation and the physiological role of the DAS1 gene encoding dihydroxyacetone synthase in the methyltrophic yeast Candida boidinii." Journal of Bacteriology. 188 (22). 5885-5890 (1998)
-
[Publications] Y.Sakai et al.: "Regulation of peroxisomal proteins and organelle proliferation by multiple carbon sources in the methylotrophic yeast, Candida boidinii" Yeast. 14. 1175-1187 (1998)
-
[Publications] 阪井康能: "オルガネラ間トポロジーのダイナミズム:ペルオキシソーム・ミクロオートファジー" バイオサイエンスとバイオインダストリー. 56 (10). 683-684 (1998)
-
[Publications] Y.Sakai et al.: "Application of cellular functions of the methylotrophic yeast to biotechnology." J.Molecular Catalysis B: Enzymatic. 6 (3-6). 77-89 (1999)
-
[Publications] Y.Sakai et al.: "Subcellular localization of fructosyl amino acid oxidases in peroxisomes of Aspergillus terreus and Penicillium janthinellum." Journal of Bioscience and Bioengineering. 87 (1). 109-112 (1999)
-
[Publications] Y.Sakai & S.Subramani: "Cell Biochemistry and Biophysics" Environmental response of yeast peroxisomes: organelle assembly and degradation.(in press), (1999)