1997 Fiscal Year Annual Research Report
摂食で遊離される酸性線維芽細胞増殖因子の学習・記憶、内分泌及び免疫系に対する作用
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09470015
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐々木 和男 富山大学, 工学部, 教授 (60042826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 章 富山大学, 工学部, 助手 (40236849)
川原田 淳 富山大学, 工学部, 助教授 (80195164)
磯部 正治 富山大学, 工学部, 助教授 (70211050)
大村 裕 日本臓器製薬(株), 生物活性研, 常勤顧問 (30019517)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / 学習・記憶 / 老化促進モデルマウス / 免疫 / コルチコステロン / 遺伝子 |
Research Abstract |
平成9年度の研究における研究実績は以下のとおりである。 1.SAMP8における酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)の学習・記憶促進機構:SAMP8の学習・記憶能力の低下は内側中隔コリン作動性ニューロンの細胞死並びにChAT活性の低下による。今回、学習・記憶に重要な海馬でのコリン作動性神経終末の分布につき検討したところ、その終末はSAMR1に比べSAMP8で有意に減少していることが判明した。視床下部-下垂体-副腎皮質系に対するaFGFの作用:aFGFを脳室内に投与し、血漿中のコルチコステロン濃度を調べたところ、血漿中コルチコステロン濃度は有意に増加した。抗CRF抗体を脳室内に前投与しておくとこの増加は消失する。したがって、これまでの研究から推測されるようにaFGFは室傍核ニューロンに作用してCRFを遊離させ、下垂体を介して副腎皮質に作用することが明らかになった。3.免疫系に対するaFGFの作用:マクロファージの貧食能に対するaFGFの効果をフローサイトメトリにより調べた。その結果、aFGFはマクロファージの貧食能を用量依存性に活性化すること、また塩基性FGF(bFGF)も同様の効果をもつことが判明した。aFGFの脳室内投与により、免疫担当器官の一つである脾臓を支配する交感神経の活動が上昇することも明らかになった。4.分泌型aFGF産生細胞株の樹立:サイトメガロウイルスの下流にアルブミンシグナルペプチドとaFGFの融合遺伝子をもつプラスミドを構築した。発現チェックのため、lacZ遺伝子をその後においた。現在、lacZ遺伝子の発現に関し、クローンをCOS-1細胞にトランスフェクトし、βGal染色で検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasuyuki Nomura: "Alterations in acetylcholine,NMDA,benzodiazepine receptors and protein kinase C in the brain of the senescence-accelerated mouse:an animal model useful for studies on cognitive enhancers" Behav.Brain.Res.83. 51-55 (1997)
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[Publications] Ikuo Tooyama: "Effeot of acidic fibroblast groioth factor on basal forebrain chclinergic meurons in sensccnce-accelerated mice" Exp.Grrontol.32. 171-179 (1997)
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[Publications] Mitsuyuki Ichinose: "Effect of acidic fibrublast growth factor(aFGF)on phagocytosis in mouse peritoneal macrophages" Microbiol.Immunol.42. 139-142 (1998)