1998 Fiscal Year Annual Research Report
腎特異性有機陰イオン薬物トランスポーターの遺伝子クローニングと機能発現
Project/Area Number |
09470025
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
遠藤 仁 杏林大学, 医学部, 教授 (20101115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細山田 真 杏林大学, 医学部, 助手 (00291659)
楯 直子 杏林大学, 医学部, 助手 (00201955)
関根 孝司 杏林大学, 医学部, 助手 (50255402)
武田 理夫 杏林大学, 医学部, 講師 (40255401)
金井 好克 杏林大学, 医学部, 助教授 (60204533)
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Keywords | 近位尿細管中間部 / 有機アニオン / ジカルボン酸 / トランスポーター / ジカルボン酸トランスポーター / パラアミノ馬尿酸 / 有機アニオントランスポーター / 薬物輸送 |
Research Abstract |
1 切年度にラット腎より分子クローニングした腎特有有機アニオントランスポーター(OAT1)について検討を行い、次のような新知見を得た。 (1) OAT1に対するポリクロナル抗体を作成、ラット腎内OAT1の発現部位を免疫組織化学的に検討した。OAT1は近位尿細管の中間(S^2と呼ばれる)部の側基底膜にのみ認められ、S^2の管腔側膜や他の分節には存在しないことを光学顕微鏡と電子顕微鏡で明らかにした。 (2) ヒト腎のcDNAライブラリーからヒト型OATlを分子クローニングした。ヒト型OAT1の機能はラット型OATlとほぼ同様の性質を有することが分かった。ヒトOAT1の染色体坐位は第11染色体のq13.1であった。 (3) OAT1は交換輸送タンパクで、交換イオンはジカルボン酸であり、ナトリウム依存性ジカルボン酸トランスポーター(rNaDA-1と名付けた)はアミノ酸587個より成る膜12回貫通型のタンパクで近位尿細管の中間部(S^2)と終末部(S^3)の管腔側膜に局在していた。輸送基質はジカルボン酸のほかにクエン酸などトリカルボン酸も輸送される事を明らかにした。 2 ラット肝よりOATlのアイソフォームであるOAT2を分子クローニングした。OAT2は肝に強く発現するが、弱いものの腎にも分布するトランスポーターで、パラアミノ馬尿酸のほかに、ジカルボン酸、プロスタグランジンE^2などの内因性物質に加えメトトレキセート、アセチルサリチル酸、プロモスルフォフタレインなどの外来性基質も輸送する多選択性陰イオントランスポーターであることを明らかにした。
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[Publications] Cha,S.H.,Sekine,T.& of subtypes P2Y1 and P2Y2: "P2 purinoceptor localization along rat nephron and evidence suggesting existence Endou,H." Am.J.Physiol.274(43). F1006-F1014 (1998)
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[Publications] Sekine,T.,Cha,S.H.,Tsuda,M.,Apiwattanakul,N.,Nakajima,N.,Kanai,Y.& Endou,H.: "Identification of multispecific organic anion transporter 2 expressed predominantly in the liver." FEBS Lett.429. 179-182 (1998)
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[Publications] Sekine,T.,Cha,S.H.,Hosoyamda,M.,Kanai,Y.,Watanabe,N.,Furuta,Y.Fukuda K.,Igarashi,T.& Endou,H.: "Clloning,functional characterization,and localization of rat renal Na+-dicarboxylate transporter." Am.J.Physiol.275(44). F298-F305 (1998)
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[Publications] Kanai,Y.,Segawa,H.,Miyamoto,K.,Uchino,H.,Takeda,E.& Endou,H.: "Expression cloning and characterization of a transporter for large neutral amino acids activated by the heavy chain of 4F2 antigen(CD98)." J.Biol Chem. 273. 23629-23632 (1998)
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[Publications] Hosoyamada,M.,Sekine,T.,Kanai,Y.& Endou,H.: "Molecular cloning,functionalexpression of a multispecific organic anion transporter from human kidney." Am.J.Physiol.276(459). F122-F128 (1999)
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[Publications] Sekine,T.,Kusuhara,H.,Utsunomiya-Tate,N.,Tsuda,M.,Sugiyama,Y.,Kanai.,Y.& Endou,H.: "Molecular cloning and characterization of high-affinity carnitine transporter from ratintestine." Biochem.Biophys.Res.Comm.52(6). 251(2). 586-591 (1998)
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[Publications] 長沢俊彦、河邉香月、伊藤克己、浅野 泰、遠藤 仁: "Annual Review腎臓 1999" 中外医学社, 94 (1998)
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[Publications] 小椋秀亮、加藤有三、篠田 壽: "現代歯科薬理学第3版" 医歯薬出版株式会社, 314 (1998)