1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
影山 龍一郎 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
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Keywords | 神経分化 / ニューロン / Notch / Hes / bHLH / 標的遺伝子破壊 / ノックアウトマウス / 側方抑制 |
Research Abstract |
哺乳動物の神経発生過程では、比較的均一な神経前駆細胞がら極めて多様性に富んだニューロンが分化する。この多様性に富んだ神経細胞が分化していく過程では、細胞間相互作用による側方抑制が重要であることが示されている。すなわち、分化が始まった細胞は周囲の細胞が同じ種類の細胞に分化するのを抑制する現象である。この側方抑制には膜蛋白Notchの関与が知られているが、Notchが活性化されてから分化抑制に至る細胞内分子機構についてはよくわかっていない。最近、このNotch経路でbHLH型転写因子Hesが重要な役割を担うことが示唆されている。そこで、神経細胞の多様性を生み出す分子機構を明らかにする目的で、Notch経路におけるHesの役割について解析を行った。まず、活性型Notchによって内在性のHes1とHes5の発現が増加したので、両遺伝子がNotchの機能に必要がどうかを調べるために、Hes1あるいはHes5が欠損したマウス、およびHes1とHes5が同時に欠損したマウスを作製した。これらのマウスから調製した細胞に対して、活性型Notchを発現するレトロウイルスを感染させて分化制御を調べた。その結果、Hes1あるいはHes5が欠損した場合には野生型のときと同様、Notchによる分化抑制がみられたのに対して、Hes1とHes5が同時に欠損したときにはNotchによる分化抑制が解除された。すなわち、(1)Hes1がHes5のどちらががあればNotchは機能できること、そして(2)両遺伝子はNotchの下流で必須のエフェクターとして機能することが明らがとなった。HesはbHLH型神経分化転写因子Mash1の機能を阻害して分化を抑制することが知られている。これらの結果から、哺乳動物の神経分化は「Notch→Hes1/Hes5┫Mash1→ニューロンへの分化」(→促進;┫抑制)という経路で制御されることが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ohtsuka,T., et al.: "Hesl and Hes5 as Notch effectors in mammalian neuronal differentiation." EMBO J.(発表予定). (1999)
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[Publications] Tsuda,H., et al.: "Structure and promoter analysis of Math3 gene, a mouse homolog of Drosophila proneural gene atonal: neural-specific expression by dual promoter elements." J.Biol.Chem.273. 6327-6333 (1998)
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[Publications] Nishimura,M., et al.: "Structure, chromosomal locus and promoter of mouse Hes2 gene, a homologue of Drosophila hairy and Enhancer of split." Genomics. 49. 69-75 (1998)
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[Publications] Ohtsuka,T., et al.: "Regulated expression of neurogenic basic helix-loop-helix transcription factors during differentiation of the immortalized neuronal progenitor cell line HC2S2 into neurons." Cell Tissue Res.293. 23-29 (1998)
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[Publications] Konishi,Y., et al.: "Transcriptional regulation of mouse type 1 inositol 1,4,5-triphosphate receptor gene by Neuro D-related factor." J.Neurochem.(発表予定). (1999)