1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性感染防御免疫誘導に必須な細胞内寄生性細菌の抗原外因子の同定とその機構
Project/Area Number |
09470075
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
光山 正雄 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10117260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 伊久雄 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20214695)
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Keywords | 細胞内寄生菌 / リステリア / 感染防御免疫 / リステリオリシン / マクロファージ / IL-12 / インターフェロンγ |
Research Abstract |
TH1型感染防御免疫の誘導に必須の内因性インタフェロンγがリステリアのエスケープ因子であるLLO(リステリオリシン)により誘導される機構を解析した。マウス腹腔滲出細胞をリコンビナント(r)LLOで刺激培養すると、IL-1,TNF,IL-12,IL-18などの産生が誘導された。最終的なインタフェロンgの産生は、IL-12、IL-18に対する中和抗体添加で抑制された。IL-12KOマウス、IL-18KOマウスの脾細胞では、特にIL-12KOによりLLO刺激でのインタフェロンγ産生は消失した。これらの結果から、LLOがマクロファージに作用してIL-12の発現を誘導することが、TH1型防御免疫の誘導の初期段階として重要であることが判明した。LLOによるインタフェロンgの誘導はポリミキシンBでは抑制されないが、抗CD14抗体で抑制され、またC3H/HeJではC3H/HeNに比べ有意に低いことから、LPSのシグナル伝達経路と同様の機構が関与することが示唆された。膜タンパクを標識したマクロファージ系細胞株に作用させたrLLOは、約140kDaのタンパクに結合していることが示された。またLLOの各ドメインを欠失させた標品を用いた検討から、第4ドメインの存在は必要であったが、コレステロール結合性は必須ではなかった。以上の結果から、フルサイズのLLOは、膜コレステロールへの結合とは異なる分子量14万のタンパクに結合し、LPSによるシグナル伝達と類似の過程を経てIL-12やIL-18の発現を誘導するものと考えられた。近年明らかにされたToll-likeレセプターの関与も示唆され、この観点からの解析の必要性がある結果であった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tanabe Y.: "Induction of protective T cells against Listeria monocytogenes in mice by immunization with a non-immunogenic strain of bacteria and liposome-encapsulated listeriolysin O"Infection and Immunity. 67・4. 565-575 (1999)
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[Publications] Ebe Y.: "The role of Kupffer cells and regulation of neutrophil migration into the liver by a C-X-C chemokines in primary listeriosis"Pathology International. 49・4. 519-532 (1999)
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[Publications] Tachibana T.: "Involvement of CD4+T cells and macrophages in acquired protection against infection with Sporothrix schenckii in mice"Medical Mycology. 37・6. 397-404 (1999)
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[Publications] Kayama S.: "Overgrowth and translocation of Escherichia coli from intestine during prolonged enteral feeding in rats"Journal of Gastroenterology. 35・1. 15-19 (2000)
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[Publications] 光山正雄: "細胞内寄生性細菌の病原因子と宿主免疫応答に関する基礎的研究"モダンメデイア. 46・2. 101-109 (2000)
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[Publications] 光山正雄: "感染とサイトカイン"医学のあゆみ. 別冊. 13-18 (1999)
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[Publications] 光山正雄: "微生物学第1版"文光堂. 637 (1999)
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[Publications] 光山正雄: "現代医学の基礎11感染と生体防御"岩波書店. 248 (2000)