1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470078
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平松 啓一 順天堂大学, 医学部, 教授 (10173262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 和美 順天堂大学, 医学部, 助手 (90276478)
堀 典子 順天堂大学, 医学部, 助手 (50245700)
桑原 京子 順天堂大学, 医学部, 助手 (10167976)
花木 秀明 順天堂大学, 医学部, 講師 (60286747)
伊藤 輝代 順天堂大学, 医学部, 講師 (10095763)
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Keywords | バンコマイシン耐性 / VRSA / hetero-VRSA / 疫学 / PBP / ムレインモノマー / genotyping / 細胞壁合成 |
Research Abstract |
1疫学調査 (1)薬剤感受性全国203施設から、合計1149株のMRSA分離株を集め、バンコマイシンを含む既存の抗菌薬に対する感受性テストを行った。その内50株は、順天堂大学病院から1996年1月〜6月に分離され、129株は、順天堂大学以外の7つの大学病院から1996年10月〜12月の期間に、残り970株は、大学病院以外の施設から1997年1月〜3月の間に分離された菌株で、同一の患者さんから分離されたものは、含まない。スクリーニングンの結果、バンコマイシンに対する耐性度が、Mu50(MlC 8mg/l)株に匹敵する株は、検出されなかったが、ヘテロ耐性株は、順天堂大学病院から20%、その他7つの大学病院から9.3%、そして大学病院以外の施設から1.3%検出された。 (2)VRSAとhetero-VRSA株のgenotypingパルスフィールド電気泳動による解析では、調べた限りにおいてVRSAおよびhetero-VRSAは、クロノタイプII-Aに分類された。 2バンコマイシン耐性のメカニズムの解明 (1)PCRによる腸球菌耐性遺伝子の検索すべての臨床分離株から腸球菌の耐性遺伝子vanA,vanB,vanC,vanZ,vanX,vanY,vanHは、検出されなかった。よって、腸球菌の耐性メカニズムとは、異なる。 (2)VRSA,その感受性株、高度耐性株をもちいての比較検討 ・PBP assay,western blottinnの結果から、耐性株(Mu50)はPBP2および2^1の産生量増加が認められた。 ・電子顕微鏡写真から、Mu50の細胞壁は、肥厚していることが確認された。 ・HPLC assayの結果から、ムレインモノマー前駆体量の増加が見られた。以上の結果から、細胞壁合成系の亢進により耐性を獲得すると推察されるが、詳細については、検討中である。 治療法の開発 in vitroによる2剤併用効果を検討した結果、アルベカシンとユナシンの併用が良好であった。
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[Publications] Hiramatu,K.: "Update on vancomycin-resistant Staphylococcus aureus." Antibiot.Chemother.1. 5 (1997)
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[Publications] Hiramatu,K.,et al: "Methicillin-resistant Staphylococcus aureus clinical strain with reduced vancomycin susceptibility." J.Ant.Chemother.40. 135-136 (1997)
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[Publications] Hiramatsu,K.,et al: "Reduced susceptibility of Staphylococcus aureus to vancomycin-Japan,1996" Morbidity and Mortality Weekly Report. 46. 624-626 (1997)
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[Publications] Hiramatsu,K.,et al.: "Vancomycin-resistant Staphylococcus aureus : dissemination of heterogeneously resistant strains in Japanese hospitals." Lancet. 350. 1670-1673 (1997)
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[Publications] 花木秀明, 平松啓一: "薬剤耐性は進化する" 実験医学. 15. 272-273 (1997)
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[Publications] 平松啓一: "耐性菌との戦い" Mebio. 5. 16-23 (1997)
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[Publications] 平松啓一: "バンコマイシン耐性院内感染菌の出現-その耐性メカニズム-" 感染炎症免疫(Intection Inflammation Immunity). 27-2. 2-9 (1997)
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[Publications] 花木秀明, 平松啓一: "MRSAの変遷とバンコマイシン耐性MRSAの出現" 臨床科学. 33. 1052-1059 (1997)
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[Publications] 平松啓一: "院内感染菌の起源" 日本病院薬剤師会雑誌. 33. 60-61 (1997)
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[Publications] 平松啓一: "新抗菌薬臨床評価の現状と問題点 基礎科学の観点からの提言" 日本化学療法学雑誌. 45. 800-802 (1997)
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[Publications] 花木秀明, 平松啓一: "バンコマイシン軽度耐性MRSA" 臨床医. 23. 65-68 (1997)
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[Publications] 花木秀明, 平松啓一: "バンコマイシン耐性グラム陽性球菌" 日本内科学雑誌. 86. 65-70 (1997)