1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470079
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中江 太治 東海大学, 医学部, 教授 (50102851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 裕 東海大学, 医学部, 講師 (10220774)
良原 栄策 東海大学, 医学部, 助教授 (70167063)
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Keywords | 異物 / 抗生物質 / 排出 / 輸送 / 耐性 / トポロジー / 細胞膜 / 膜蛋白 |
Research Abstract |
院内感染の主たる起因菌である緑膿菌は抗生物質等を細胞外に排出することによって耐性となる。本研究ではそのうちMexA,B-OprMポンプの機能解のために特にMexA及びMexBの膜上トポロジーを明らかとする研究を行った。ポンプの本体と考えられるMexBの構造はすでにクローン化されているmexB遺伝子の種々の位置にアルカリフォスファターゼ遺伝子を融合させ、それを発現させることによって解析した。発現されたアルカリフォスファターゼか原形質膜の外膜(ペリプラズム側)であれば融合蛋白はアルカリフォスファターゼ陽性となり、また細胞質側であれば陰性となる。この方法により解析した結果次の事柄が明らかとなった。 (1)MexB蛋白は細胞膜を12回貫通することによってポンプを形成している。(ii)ペリプラズム側に位置している1番と4番目のループは各々に311及び314個のアミノ酸を有する大きなドメインを形成している。このことはこれらのドメインがポンプの別々のサブユニットであるMexA及びOprMと会合する可能性を示している。(iii)MexBの構造は二重対称形を示し、N末側半分とC末側半分を重ね合わせるとほぼ完全に重複していることか明らかとなった。次にポンプのサブユニット内で内膜と外膜を連結すると考えられているMexAの構造をβ-ラクタマーゼ融合によって解析した。その結果MexAは内膜結合蛋白であるにもかかわらず、膜貫通領域を全く有せず完全に水溶性蛋白の様子を呈した。それではどのようにして膜に結合しているかということを明らかとする実験を行ったところMexAのN末端には脂肪酸が結合しており、これを介して細胞膜と会合していることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakae,T.: "Subunit Swapping in the Mex-Extrusion Pumps in Pseudomonas aeruginosa" BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS. 244. 898-902 (1998)
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[Publications] 中江太治: "緑膿菌の多剤交叉耐性と薬剤排出" 現代医療. 30. 1249-1254 (1998)
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[Publications] Taiji NAKAE: "Flocculation and Membrane Binding of Outer Membrane Protein F,Porin,at Acidic pH" Jpn.J.Appl.Phys. 37. 2074-2077 (1998)
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[Publications] Taiji Nakae: "Identification of the Catalytic Triad of the Protein D2 Protease in Pseudomonas aeruginosa" BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS. 247. 142-145 (1998)
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[Publications] Taiji Nakae: "Antibiotic stress induces a large amount of outer membrane protein in Pseudomonas aeruginosa" FEMS Microbiology Letters. 165. 261-265 (1998)
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[Publications] 中江太治: "非特異的抗生物質耐性の機序" Clinical View. 4. 4-5 (1998)
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[Publications] 中江太治 編集: "生物学と医学をつなぐ分子細胞生物学" 300 (1998)