1997 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞に発現する新たなEBウイルスウイルスレセプターの遺伝子クローニング
Project/Area Number |
09470080
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 賢蔵 北海道大学, 医学部, 教授 (30133721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 章介 北海道大学, 医学部, 講師 (60232592)
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Keywords | EBウイルス / 上皮細胞 / ウイルスレセプター |
Research Abstract |
上喉頭がんに加え、近年、胃がんや口腔内毛様白斑症など腫瘍性上皮細胞増殖疾患とEBウイルス(EBV)の関連を示す報告が多数なされているが、上皮細胞へのEBV感染機序の詳細は依然不明である。我々は最近、相同組み換えによりEBVゲノム内にネオマイシン耐性遺伝子を挿入した組み換えEBV(rEBV)を作製、これを用いて様々な組織由来の上皮細胞株への効率的なEBV感染系を確立した。この上皮細胞への効率的EBV感染実験系をもとにEBV感染に対して最も高い感受性を示す上皮細胞株を選別し、その細胞株のcDNAライブラリーを作製した。ライブラリーの作製に際しては、EBV複製開始点(oriP)、ハイグロマイシン耐性遺伝子、およびcDNAの発現プロモーターを有するベクターを用いた。本ベクターは、oriPの機能により、EBV(EBNA1)の存在下でのみ細胞内で維持されうる。一方でEBV感染に抵抗性を示す上皮細胞株を見い出し、作製した発現ライブラリーをこの感染抵抗性の上皮細胞株に導入した。その後さらにrEBVを接種し、G418とハイグロマイシンを含む培地中で短期間培養することにより、感染が成立した細胞のみを生存させ、この細胞から保持されているプラスミドDNAを回収する操作を繰り返すことで上皮細胞に発現する新たなEBVレセプター遺伝子の同定を行うべく、現在、実験が進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Koide,J.: "Spontaneous establishment of an Epstein-Barr virus-infected fibroblast line from the synovial tissue of a rheumatoid arthritis patient" J.Virol.71. 2478-2481 (1997)
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[Publications] Wen,S.: "Epstein-Barr virus(EBV) infection in salivary gland,tumors:lytic EBV infection in nonmalignant epithelial cells surrounded by EBV-positive T-lymogima cells" Virology. 227. 484-487 (1997)
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[Publications] Yoshiyama,H.: "Eosteub-Barr virus infection to human gastric carcinoma cells:implication of the existense of a new virus receptor different from CD21." J.Virol.71(7). 5688-5691 (1997)
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[Publications] Yanai,H.: "Endoscopic and pathologic features of Epstein-Barr virus-associated gastric carcinoma." Gastrointes.Endosco.45(3). 236-242 (1997)
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[Publications] Tanai,H.: "Epstein-Barr virus infection in non-carcinomatous gastric epithelium." J.Pathol.183(3). 293-298 (1997)