1997 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン遺伝子欠損マウスを用いたクロイツフェルト・ヤコブ病病原因子の本態解明
Project/Area Number |
09470086
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
坂口 末廣 長崎大学, 医学部, 助手 (60274635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 和人 長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
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Keywords | プリオン / 遺伝子欠損マウス / リポソーム |
Research Abstract |
通常のプリオン病病原体の脳内接種法ではPrP^+/^+マウスにはプリオン病を発症させることができるが、PrP^-/^-マウスにはプリオン病を惹起できないことを既に我々の研究室はjournal of virologyに発表している。そこで今回の本研究課題は、プリオン病の病原体を直接神経細胞内に注入した時、PrP^-/^-マウスにプリオン病を惹起できるかどうか、また病原体の増殖はどうなっているかについて検討するのが研究目的である。マウスの脳の神経細胞内への病原体の注入は、リポソームに病原体を封入し脳内接種にて行うのが本研究の特色である。しかしながら、本研究課題の承認が平成9年10月下旬であったために、当初の研究計画が大幅に遅れることになった。ここでは、承認後に行なえた実験研究を下記に記すことにする。 1、感染実験に必要な数のPrP^+/^+、PrP^-/^-マウスをマウスどうしの交配により産生し、それぞれのマウスの遺伝子型を尾からDNAを抽出しPCR法にて決定している。 2、平成8年に行ったddYまたはC57BL/6マウスへの感染実験より得られた感染マウス脳からのPrP^Rの精製法の検討を行っている。検討の方法は、それぞれの分画に存在するPrP^Rを、PrP^-/^-マウスに大腸菌より精製したプリオン蛋白を腹腔内に接種し得られた抗血清を用い、ウエスタンブロッティング法にてPrP^Rを検出することによって検討している。 3、正常マウス脳乳剤のリポソームへの封入法の検討。リポソームの毒性を希釈法にて検討している。 本研究課題を遂行するために、上記の検討を早急に終了し、研究計画の遅れを取り戻したい。また、正常マウス胎児の神経細胞培養の確率については全く実験ができなかった。このことも早急に準備に取り掛かり、研究できるようにしたい。
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