1997 Fiscal Year Annual Research Report
RPl05分子の細胞レベルおよびノックアウトマウスによる個体レベルでの機能解析
Project/Area Number |
09470096
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
三宅 健介 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60229812)
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Keywords | RP105 / B細胞 / ロイシンリッチリピート |
Research Abstract |
RP105は分子量105kDでマウスの成熟B細胞表面に発現されている分子である。抗体で架橋されると活性化シグナルを伝達し、非常に強い増殖反応をB細胞に誘導する。この活性化されたB細胞は放射線誘導アポトーシスに対して耐性を示すが、抗原レセプター刺激に対しては逆に増殖抑制やアポトーシスを示す。RP105はB細胞の増殖、死滅に関わっていると考えられる。 1.RP105に会合する分子の遺伝子クローニング RP105の細胞内部分はアミノ酸11個と短く、シグナル伝達分子の存在が予想される。その分子の検索として、B細胞リンホ-マを用いて抗RP105抗体で免疫沈降をおこなったところ、分子量約22,25kDのふたつのシグナルが共沈された。N末端アミノ酸配列を決定したところ、22,25kDのシグナルから同一の配列が得られ、同じ分子と予想された。cDNAクローニングを行い塩基配列を決定したところ、分泌タンパクで、チキンですでに報告されていた分子のマウスホモローグであった。得られたcDNAを細胞に発現きせると培養上清中に分泌されるが、RP105と一緒に発現させると、細胞表面に現れた。したがってこの分子はRPl05た結合した状態で細胞表面上に存在し、RP105がなければ分泌されると考えられる。現在、この分子とRP105のシグナル伝達との関連について検討を進めている。 2.ヒトRP105に対するモノクローナル抗体の確立。 ヒトRP105に対するモノクローナル抗体MHR73の作製に成功した。ヒトRP105はCD19陽性のB細胞に発現がみられた。扁桃の免疫組織染色を行うと、主にmantle zoneの、germinal centerに接した部位のB細胞が強く染まった。Germinal centerでのRP105の発現は弱く、全く発現していない細胞もあった。扁桃のB細胞を抗RP105抗体で刺激すると、活性化が誘導された。今後、自己免疫疾患等の患者の細胞を用いて、染色や機能解析を進め、RPl05と疾患との関連を検索する。
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[Publications] Fukuoka,M.: "Analysis of Vβ4 T cell receptor CDR3 repえrtoire in BALB/c and (NZB x NZW) F1 mice." Immunol.Letters. 59. 63-69 (1997)
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[Publications] Yasue,T.: "Acritical role of Lynあんd Fyn for B cell responses to CD38 ligation and interleukin 5." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 94. 10307-10312 (1997)
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[Publications] Miyake,K.: "Molecular cloning of a human RP105 homologue.In Kishimoto,T.et al.(eds.)Leucocyte Typing VI." Garland Publishing,Inc., 2 (1997)