1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウス糖尿病遺伝子Mody4の生理的役割の解明とヒトの糖尿病の予防への利用
Project/Area Number |
09470100
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小泉 昭夫 秋田大学, 医学部, 教授 (50124574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (00212952)
野崎 潤一 秋田大学, 医学部, 助手 (90302265)
嘉陽 毅 秋田大学, 医学部, 講師 (40272033)
和田 安彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (10261653)
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Keywords | Akita mouse / Mody / 生理的役割 / ヒト糖尿病 / 予防 / 蛋白おりたたみ / Endoplasmic reticulum / インシュリン遺伝子 |
Research Abstract |
我々は、優性遺伝形式をとるマウス若年発症糖尿病モデルマウスである秋田マウスを確立した。本マウスにおける責任遺伝子は、染色体7番テロメアに存在し、ヒト染色体11番に存在することが証明された。科学研究費助成金によって行われた本研究により以下の諸点が明らかになった。 1) Gene dosage effectの検討: 我々はカスタネウスとの交配によりより詳細な遺伝子座の存在位置の同定と原因遺伝子の用量一形質関連を検討した。F 2を用いた交配により、明確に3種の形質が判別された。 即ち、F 2子孫雄子孫では、約1/4は、生後早期より糖尿病を示し、1/2は生後10週から糖尿病を示し、1/4は正常個体と考えるれた。これらの事から、責任遺伝子ホモ状態では、糖尿病が早期に発症することが証明された。さらに、ホモ個体においては、胎児期からすでに膵ベータ細胞の低形成があることが証明された。また、形態観察によりERの増生が証明された。また、量的形質を用いた検討で遺伝子の存在場所としてInsulin遺伝子であるIns2遺伝子近傍±3cMに絞り込むことができた。 2) 膵ベータ細胞の細胞回転: 上記の如く、Mody遺伝子は、ベータ細胞の細胞回転に影響を及ぼすことが考えられたため、Isletを中心に細胞回転の検討を行った。その結果、細胞回転では、膵ベータ細胞に特異的に細胞回転が抑制されていることが判明した。さらに、Mody+/-では、ミトコンドリアの膨化や、endoplasmic reticulumの著しい増殖が認められる一方、アポトーシスの抑制が認められた。しかし、この一方核の濃染したアポトーシス準備状態にある細胞が多く認められた。これらのことから、糖尿病マウスでは、細胞回転の抑制はアポトーシスの抑制による可能性が示唆された。
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[Publications] Y.Wada, M.Tsukada, A.Koizumi: "Diabetes and hypertension (Syndrome X)ac on increasing risk ???" J.Anti-Aging Medicine. 1. 45-52 (1998)
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[Publications] T.Kayo and Koizumi A: "Mapping of Murine diabetogenic gene Mody on chromosome 7 ???" J.Clinical Investigation. 101. 2112-2118 (1998)
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[Publications] J.Wang et al.: "A mutation in the insulin 2 gene induces diabetes ???" J.Clin.Invest.103. 27-37 (1999)
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[Publications] 小泉昭夫 他2名: "分子糖尿病学の進歩" 金原出版, 6 (1999)