1998 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウムおよびカリウム欠乏による健康障害--安定同位体を用いた実験的研究--
Project/Area Number |
09470104
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
千葉 百子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80095819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 弘美 順天堂大学, 医学部, 助手 (20255657)
篠原 厚子 順天堂大学, 医学部, 講師 (90157850)
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Keywords | 安定同位体 / マグネシウム / カリウム / ミネラルバランス / 高温ストレス / 性差 |
Research Abstract |
1. マグネシウム(Mg)欠乏,またはマグネシウム/カリウム(Mg/K)欠乏状態の状態の時に投与されたMgの運命---stable isotope(26Mg)による追跡 Mg and/or Mg/K欠乏すると体内ミネラルバランスが崩れる。マウスに1週間Mg and/or Mg/K欠乏食餌を与え、26Mgを静注した。本来体内にあるMg(その殆どは24Mg)との割合も算出して検討した。(1)血漿および血球中Mg濃度:26Mgの取込みは血球中の方が遅い。(2)腎及び心筋中Mg濃度:Mg and/or Mg/K欠乏食を与えても正常値を維持する。しかし投与した26MgはMg欠乏群では6時間後まで上昇を続けた。腎では26Mgは常にcont群より欠乏食群で高値であった。(3)欠乏食群の精巣でもMg濃度は低下し、26Mgは常に欠乏食で高かった。 2. Mg/K欠乏における高温ストレスの影響 通常(23℃,60%)及び高温(30℃,60%)環境下、雌雄マウスを通常食群とMg/K欠乏食群に分け1週間飼育した。(1)肝、腎、血漿及び脳過酸化脂質を観察した。肝では雌雄ともに高温群の方が有意に高値であった。恒温群の雌のみ通常食群よりMg/K欠乏群の方が高かった。腎で著変はなかった。血漿では雌雄ともに高温vs恒温間に差はあったが、食餌は無関係であった。脳では各群間に差はなかった。(2)Mg濃度は欠乏食群で低下したが、腎、心筋、脳では正常値を維持した。種々の元素濃度の変化は雄の方が雌より大きかった。 3. まとめ stable isotopeによるtracer実験で、欠乏臓器へのMg取込みは心筋、赤血球は他の臓器より、充足に時間を要する。高温暴露影響も、Mg/K欠乏のミネラルバランスへの影響も、雌より雄が感受性が高い。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] CHIBA,Momoko: "Effects of Mg and K deficiency on male and female mice" Journal of Toxicological Sciences. 23(Sup II). 246-249 (1998)
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[Publications] 千葉 百子: "微量元素の栄養状態の評価としての精液、卵胞液中の微量元素濃度の意義" 栄養評価と治療. 16(2)(印刷中). (1999)