1997 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール代謝関連酵素型とアルコール関連疾患に関する分子疫学的研究
Project/Area Number |
09470105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
福田 勝洋 久留米大学, 医学部, 教授 (60045416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 律 久留米大学, 医学部, 助手 (60258423)
西依 淳 久留米大学, 医学部, 助手 (30218226)
荻本 逸郎 久留米大学, 医学部, 講師 (30177159)
中村 純 久留米大学, 医学部, 助教授 (40148804)
柴田 彰 久留米大学, 医学部, 助教授 (10113226)
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Keywords | C型肝炎 / B型肝炎 / 飲酒歴 / ALDH2 / 肝がん / 症例対照研究 |
Research Abstract |
爪からのアルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)遺伝子型観察方法は完成していたが、大量資料の処理に当たり、更に改善できる観察方法を開発した。すなわち、これまでは7段階の処理が必要であったのを3段階に改良することにより、抽出に要する時間が約半減し、DNAのコンタミネーンョンの危険性も減少させることができた。観察方法の感度と特異度に変化はなく、旧法と新法とで全く同一のALDH2遺伝子型が得られることを確認した。 ALDH2以外のアルコール代謝関連酵素として、CYP2E1とアルコールデハイドロゲナーゼ2(ADH2)の遺伝子型観察方法の開発もほぼ見通しがつき、実用性についての細部の検討を残す段階になった。来年度中には完成できるものと思われる。 平成7年7月から福岡、佐賀両県をフィールドとする肝がん症例対照研究を実施しており、症例は久留米大学病院受診の原発性肝がん患者、対照は同大学関連病院の非肝がん患者として、両者から肝炎既往歴、HBsAg、Anti-HCVAb、輸血歴、飲酒歴その他のライフスタイルに関する情報を継続的に収集すると共に、爪を採取している。平成10年2月末日現在、127名の適格症例について情報収集が終了した。それに対する対照として、男は1:1,女は1:4の対照を収集しているが、症例対照とも全情報が入手でき、爪からのALDH2遺伝子型も観察できた症例対照数は、男72組、女13組となった。男での輸血歴保有者は、症例・対照とも14%、非飲酒者は症例17%、対照21%、HBsAg陽性者は症例7%、対照で皆無、Anti-HCVAb陽性者は症例88%、対照1%などであった。Anti-HCVAbと肝がん罹患との関連は統計学的に有意となったが、HBsAgとALDH2遺伝子型と肝がん罹患との関連はこの段階では有意ではない。女の場合はさらに少数のため解析は行っていない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nishiyori,A.: "Genotype-Phenotype Agreement of Aldehyde Dehydrogenase 2 in 120healthy Japanese" Kurume Medical Journal. 41. 117-121 (1994)
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[Publications] 柴田 彰: "ALDH2の遺伝子型がアルコール飲酒と肝癌との関連に及ぼす影響" 第55回日本癌学会総会. 55. 675-675 (1996)