1997 Fiscal Year Annual Research Report
都市化に伴う生物学的環境変化のモニタリングと新興感染症の流行リスクに関する研究
Project/Area Number |
09470109
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 健人 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80126234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 信雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00142258)
岡村 登 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00111592)
渡辺 雅史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90280974)
竹内 幸子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90251503)
中村 桂子 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00211433)
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Keywords | 都市化 / 新興再興感染症 / 環境微生物 / 環境モニタリング / 環境健康指標 / 都市公共空間 / 都市河川 |
Research Abstract |
本研究の目的は、都市化に伴って変化する都市河川ならびに地下通路や交通機関などの都市公共空間における微生物環境の変化の様相をフィールド研究により明らかにし、新興感染症の流行リスクに関与する諸条件を明らかにすることにある。また、新たな都市環境に対応する都市住民のライフスタイルの特性を明らかにすることにより、都市化に伴って変化した新たな都市自然環境にあって、人びとが自然と親しみながら生活するための諸条件を提示する。そして以上の結果をふまえ、比類なき高度な都市化が進行する日本の都市型生活における安全と健康を確保するためのフレームワークを提起する。本年度は、(1)都市河川をフィールドとして、河川の流下に伴う水質の測定を行い、一般細菌数、大腸菌群数、大腸菌数などの生物学的環境の特性を明らかにした。(2)地下通路などの都市公共空間の微粒子数、浮遊細菌・浮遊真菌の測定をおこない、都市の地下通路空気中における微粒子数、浮遊細菌・浮遊真菌の特性を明らかにし、空気中微粒子数と浮遊最近。浮遊真菌の相関を解析した。標準平板菌数が10-10^3CFU/m^3存在し、グラム陽性球菌は常時検出され、大腸菌群はほとんど検出されなかった。真菌は10-10^2CFU/m^3存在していた。標準平板菌数と径5.0μmの微粒子球およびグラム陽性数菌数と径5.0μmの微粒子数との間に正の相関がみられた。今後はさらに測定地点を増やし結果の一般化をはかるとともに、菌種の同定、病原性の検索が必要と考えられた。(3)都市環境変化と微生物環境の変化の様相の関連性を、都市生態系の変化、環境微生物学、院内感染などのpathogenの棲息環境、都市化に伴うライフスタイルの変化の側面から検討した。(4)新興感染症の流行に関わる文献調査をおこない、メタアナリシスの手法により、生物学的環境条件の要因に注目し、新興感染症の流行リスクに関与する諸条件を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高野 健人: "住民の健康と都市の条件" 都市問題. 89・2. 13-27 (1998)
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[Publications] 渡辺 雅史: "公共用水域における細菌の計測方法の検討" 日本公衆衛生雑誌. 44・10 特別付録. 1386- (1997)
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[Publications] 渡辺 雅史: "江戸川の流下にともなう水質変化-第4報" 日本衛生学雑誌. 53・1. 272 (1998)