1999 Fiscal Year Annual Research Report
ライフスタイル、危険因子、循環器病・がんの長期間監視
Project/Area Number |
09470110
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 平三 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70047215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 徹爾 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70282770)
中山 健夫 国立がんセンター研究所, がん情報研究部, 室長 (70217933)
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Keywords | 疫学 / 脳卒中 / 虚血性心疾患 / コホート研究 / 食事摂取量 / 身体活動 / 半定量食物摂取頻度法 / モニタリング |
Research Abstract |
新潟県新発田市において、20年間の追跡期間における病型別脳卒中の危険因子を比例ハザードモデルで分析した。脳梗塞では収縮期・拡張期血圧ともに正の関連がみられた(収縮期 10mmHgあたりのRR1.21,95%信頼区間1.12-1.31、拡張期 10mmHgあたりのRR1.34,1.15-1.56)。脳出血では拡張期血圧と正の関連がみられた(1.41,1.09-1.82)。脳梗塞ではBMIと正の関連がみられた(1kg/m^2あたりのRR1.07,1.01-1.14)。脳出血で身体活動と負の関連が見られた(1 indexあたりのRR0.05,0.01-0.76)。脳梗塞で心房細動と強い正の関連が見られた(3.12,1.41-6.90)。また、女性の脳梗塞で糖尿病の既往歴と正の関連が見られた(1.15,1.03-1.29)。しかし、血清総コレステロールとの関連は男女共にみられなかった。また、同じ追跡期間中に急性心筋梗塞46名、突然死35名の発生が確認された。半定量食物摂取頻度法による食事摂取量とその後の虚血性心疾患罹患との関連を検討し、魚の摂取量が約100g/日を越えると虚血性心疾患のリスクが低下する可能性が示唆された。 健康・運動習慣等のライフスタイルモニタリングを今年、前年期調査に引き続き、後期調査を実施した。運動・肥満に関する意識の向上がみられるも、運動不足が依然として目立った。余暇の身体活動量が増加し、労働の身体活動量が減少した。食塩に対する意識の向上がみられ、摂取量は減少した。(11g台)。朝食摂取割合と食品数を多くとる割合が減少した。魚介類を除く動物性脂肪摂取量が増加し、脂肪エネルギー比が増加した。カルシウム摂取量は500mgを切っていた。ビタミンA、C摂取量は低下した。肥満・高脂血症の知識は増加したが、それをなかなか実践までには至っていなかった。男性の血清総コレステロール平均値が200mg/dlを越えた。飲酒に関する意識の向上がみられず、習慣的飲酒者の割合が高く、γGTP平均値が高くなった。喫煙及び公共の場での禁煙・分煙に関する意識の向上がみられた。習慣的な喫煙者の割合は減少し、呼気CO濃度平均値は減少した。血圧に関する意識の向上がみられず、収縮期血圧が上昇し、5,60代男性で収縮期血圧が140mmHgを越え、高血圧者が増加した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Nakayama T, Yokoyama T, Yoshiike N, Ichimura T, Yamamoto A, Tanaka H.: "Behavioral factors predicting serum cotinine concentrations of male smokers in a Japanese community."Journal of Epidemiology. 9(3). 143-145 (1999)
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[Publications] Kodama K, Toshima H, Yazaki Y, Toyoshima H, Nakagawa H, Kitabatake A, Tanaka H, et al.: "Life-style related factors and idiopathic dilated cardiomyopathy-a case-control study using pooled controls."Journal of Epidemiology. 9(5). 286-296 (1999)
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[Publications] 田中平三: "栄養疫学.特集「栄養調査の方法について」"栄養日本. 42(4). 187-188 (1999)
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[Publications] 田中平三,他: "老年者のADL・QOLの実態調査の概要報告"日本循環器管理協議会雑誌. 34(1). 64-71 (1999)
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[Publications] 田中平三,吉池信男,松村康弘,横山徹爾,小久保喜弘,伊達ちぐさ: "第6次改定日本人の栄養所容量(1)食事摂取基準 (Dietary Reference Intake)."臨床栄養. 95(3). 262-266 (1999)
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[Publications] 黒沢美智子、稲葉 裕、横山徹爾、森岡聖次、川村 孝、田中平三、橋本 勉、大野良、他: "POOLED CONTROL を用いた膿疱性乾癬の症例対照研究."日本皮膚科学会雑誌. 109(10). 1461-1469 (1999)
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[Publications] Chowdhury A. H., Zaman M.M., Nakayama T, Yokoyama T, Yoshiike N, Heizo Tanaka. At.al.: "Association of Angiotensin Converting Enzyme(ACE) Gene Polymorphism with Hypertension in a Bangladeshi population."Bangladesh Med Res Counc Bull. (published in July 1999). 24(3). 55-59 (1998)
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[Publications] 田中平三,馬場裕子,佐々木夏枝,齋藤(岩浪)京子: "営養と健康(1)-栄養疫学の立場から-営養と運動と休養,その科学と最近の進歩"日本栄養・食糧学会監修,飯尾雅嘉,小林修平編. 22 (1999)
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[Publications] 田中平三: "生活習慣病を予防する本"美寿美出版部. (1999)