1999 Fiscal Year Annual Research Report
事業所健診成績の有効利用による脳・心血管事故の第一次予防-データベース作成とコホート内症例対照研究-
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09470112
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊嶋 英明 名古屋大学, 医学部, 教授 (10023657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 善寛 名古屋大学, 医学部, 助手 (10293705)
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学部, 講師 (30262900)
近藤 高明 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00195900)
川村 孝 京都大学, 保健管理センター, 教授 (10252230)
榊原 久孝 名古屋大学, 医学部, 教授 (80153873)
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Keywords | 職域コホート / 生活習慣 / 健診成績 / 精度管理 / 所見の統一化 / 生活習慣病 / 新規発症者 / 意識または行動の変容 |
Research Abstract |
研究開始第3年目に当たる本年度は職域コホートの出発点データベースに基づいて、生活習慣アンケート成績並びに健診成績に関する性・年齢階級別の集計と、両成績間のクロス集計を行った。なお、これら事業所の健診は複数の健診施設において実施されているため、集計に当たりそれぞれの検査項目について検査法や外部精度管理の現状などをアンケートにより調査し、統一的に解釈することの妥当性を検討し、それが許される項目を明らかにした。心電図、胸部X線については所見の統一化を図り、その統一基準に基づく集計を行った。集計作業時には、氏名、生年月日をデータベースから削除したのみでなく、個人識別番号である職員(従業員)番号も独自の別の変数に割り振り、プライバシー保護の観点からより安全な方策を施した。集計成績は冊子化して各職域の健康管理関係者に配布する予定である。第2年目の健診成績とのリンケージ作業も終了した。研究としては、高血圧歴がある者とない者における血圧値と食習慣の関連性の違いを検討し、学会発表した。アンケートで「今までに高血圧症を指摘されたことがある」または現在「定期的に高血圧症の薬をもらっている」と回答した者を高血圧症の「認知群」、残りを「非認知群」とし、この二群で健診時血圧値140mmHg以上/かつ90mmHg以上の有無を目的変数、食習慣を説明変数とする多重ロジスティック回帰分析を行った。運動、飲酒、喫煙、年齢、BMIは補正要因とした。認知群において「濃い味が好きでよく食べる」は1より有意に小さいオッズ比で関連を示した。これは認知群においては疾患の認知によって意識または行動が変容していると解釈できる結果であった。がん、循環器病の新規発症者は平成12年1月までで県職員では37例(うち死亡者31例)、A社職員では37例(うち死亡者5例)である。発症後の生存例に関する把握率に両職域間で大きな差が認められることから、今後発生例の把握方法について改善を図りたい。
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Research Products
(1 results)