1997 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染症の成立と進行におけるケモカイン受容体の役割
Project/Area Number |
09470125
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
野島 美久 群馬大学, 医学部, 助教授 (90201699)
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Keywords | HIV / ケモカイン受容体 / CCR3 / CCR5 / CXCR4 |
Research Abstract |
1.コリセプターの細胞、組織分布ならびに発現調節機構の解析 (1)CXCR4およびCCR5のN末端に位置する20-30アミノ酸からなるペプチドを合成し、ラビットに免役して抗血清を樹立した. (2)CCR3を発現するトランスフェクタントをマウスに免疫しモノクローナル抗体を樹立した.この抗体はdual tropicなHIV株のCCR3依存性の感染を特異的に抑制することを明らかにした. (3)抗CCR3モノクローナル抗体を用いて、末梢血由来の樹状突起細胞がCCR3を発現していることを明らかにした.樹状突起細胞は主要な抗原提示細胞であり、HIV感染の成立と進展に重要な役割を演じていると考えられる.今後この細胞のHIV感染におけるCCR3の役割を解析していく予定である. 2.コレセプター作用の分子機構の解析 CCR5/gp120依存性の細胞融合系にサイトカラシンD、herbimycin、pertussis toxinをそれぞれ加え、β-gal活性によりcell fusionに対する効果を調べた。その結果、サイトカラシンDおよびherbimycinでは濃度依存性に細胞融合の抑制が認められたがpertussis toxinにその作用はなかった.このことからgp120依存性の細胞融合にアクチンの重合およびチロシンキナーゼが重要な働きをしていることが推察された。今後どのようなチロシンキナーゼ系が関与しているか解析する予定である.
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