1998 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスの発病前病態におけるT細胞機能の解析
Project/Area Number |
09470128
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
橋本 博史 順天堂大学, 医学部, 教授 (60053120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸叶 嘉明 順天堂大学, 医学部, 講師 (40217469)
小林 茂人 順天堂大学, 医学部, 講師 (40186739)
高崎 芳成 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80154772)
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 妊娠 / 児 / 抗核抗体 / アポトーシス / B細胞 / T細胞 |
Research Abstract |
[I] SLEより出生した児の追跡調査した結果、コントロールと比較して抗核抗体(ANA)の陽性率が有意に高率であり、ANAが陰性から陽性化した年齢は殆どが4〜6歳であった。現時点ではSLEを発症した児はいないが、今後SLEから出生した児について経時的に追跡調査することにより、SLEの発症前の免疫学的異常を解明することを目的とし以下の検討を行った。 (1) ANA:SLEより出生した児について新たに39例(男18例、女21例、1〜18歳)について血清学的検査を施行した。これらのANA陽性率は28%(男24%、女33%)であった。39例のうち経時的に追跡できている症例は18例であるが、この内1例(15歳、女)が今回初めて陽性となった。 (2) ANAが4〜6歳に陽性となることに着目し、末梢血T細胞上のCD4/CD8比、T細胞/B細胞比、T細胞上表面機能分子(CD25、FAS)について1〜8歳(43例)の各年齢間において検討を行った。結果としてCD25,FASの発現は各年齢間において有意差は認めなかった。CD4/CD8比は3〜4歳で一過性に低下し、またT/B比は5〜6歳で一過性に上昇した。現在コントロールとして、正常人より出生した児についての同様の解析を行ってる。更に症例を積み重ね各年齢間におけるANA陽性、陰性例について上記の解析を行い比較検討する予定である。 (3) B細胞上のFASの発現について(2)と同様の解析を行ったが、各年齢間において有意な差は認めなかった。更に抗CD40モノクローナル抗体刺激後に、抗FAS抗体を添加し24時間培養、アポトーシスを誘導したが各群において死細胞率に差は見られなかった。 [II]親子発症のSLE症例及びその家族についてSLEの疾患感受性遺伝子として考えられているFcγレセプターII,IIIについてDNA多型性の解析をSSCP-PCR法にて解析中である。
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