分子生物学的手法による肝類洞壁細胞機能の解析と臨床応用

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09470132
• Research Institution: University of Tokyo
• Principal Investigator: 白鳥 康史 東京大学, 医学部・付属病院, 講師 (70196624)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小松 裕 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90301100) ; 金井 文彦 東京大学, 医学部・附属病院, 医員 ; 松村 雅幸 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
• Keywords: Adenovirus / gene therapy / collagen / stellate cells / TGF-β / endothelial cells / angiogenesis

Research Abstract

Adenovirus vector を用いた肝臓への遺伝子導入と類洞壁細胞の機能の制御;IL2、IL12などのサイトカイン遺伝子を組み込んだAdenovirus vectorを用いることにより肝臓指向性を目指し、これを利用して大腸癌肝転移に対する抑止効果の機構解明と臨床応用に関する基礎的検討では、Cytokine遺伝子の導入とCytokine Diaminase geneを組み込んだAdenovirus vectorとの同時投与により、より強力な抗腫瘍効果をin vivoの大腸癌転移動物実験モデルも用いて明かにした。さらに、ONIYXのアデノウイルス系を作成して腫瘍細胞での殺細胞効果の検討、p53やBad、Baxなどのアポトージスに関与する遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターなどを作成してその臨床応用を明かにした。
肝線維化における伊東細胞の制御機構:3次元培養下での細胞外マトリックスによる培養伊東細胞の増殖、コラーゲン産生の制御機構を増殖に関連するcycline collagen geneの発現レベルに係わる細胞内シグナル伝達系の検討をcis、transの系を用いて検討し、肝内におけるcollagen産生の制御機構を解明した。
肝類洞内皮細胞のangiogenesis、癌細胞生着機構の解明:angiogenesis類似modelで、肝類洞内皮細胞の増殖機構の解明を細胞内シグナル伝達系から解明している。培養癌細胞を用いて癌細胞の肝転移に於ける際のangipgenesisiを3次元培養モデルで解析し、肝転移の初期におけるangiogenesisの促進機構を解明し、その制御機構を細胞内のシグナル伝達の面から明らかにする。この3次元培養内皮細胞を用いて癌細胞の肝転移における類洞内皮細胞の接着因子と細胞内シグナル伝達系の解明から、癌細胞接着因子亢進をもたらす基礎的検討を行なった。

Research Products

• [Publications] Shiratori Y: "Modulation of hepatic sinusoidal cell function by transduction of genes in the liver"Liver disease and hepatic sinusoid. 296-306 (1999)
• [Publications] Masaki T.Shiratori Y. et al.: "Reduced Csk activities in HCC"Hepatology. 29. 379-384 (1999)
• [Publications] Shiratori Y et al.: "Strategy of liver-directed gene therapy"Liver. 19. 265-274 (1999)
• [Publications] Alima T, Shiratori Y,et al.: "Effect of extracellular matrix on rat kupffer cell functions"Cells of Hepafic Sinusoid. 7. 68-69 (1999)
• [Publications] Shiratori Y,et al.: "Gene transduction in the liver"Cells of Hepatic Sinusoid. 7. 272-277 (1999)