1997 Fiscal Year Annual Research Report
膵液中に存在する補体関連蛋白の意義とその膵疾患診断への臨床応用に関する研究
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09470135
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
馬場 忠雄 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40079819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 知之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80273407)
安藤 朗 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90252395)
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Keywords | Co-plenent / DAF / CYtokine / Pancrentitis |
Research Abstract |
本年度は、膵管上皮細胞株(PANC-1、MIA PaCa-2)を用いて、膵管上皮細胞からの補体成分(C3,C4,factorB)の産生のサイトカイン制御について主に検討した。我々の検討によると、C3とfactorB産生は、IL-1β、IL-6、TNF-αにより誘導され、C4はIFN-γにより誘導されることが明かとなった。さらに、IL-4はこれらの補体産生に対して抑制的に作用することも明かとなった。一方、補体活性化制御因子decay-accelerating factor(DAF)の膵管上皮細胞における発現の制御機能の基礎的検討を実施した。即ち、DAFの発現は、DAFのペプチド部位の発現とGPIアンカー部位の発現により規定されているが、これらの蛋白(DAF、GPIアンカー律速酵素PIG-A)発現のサイトカイン制御について検討したところ、次のことが明かとなった。膵管上皮細胞において、IL-4やTNF-αがDAFの発現を強く誘導したが、IL-4はDAFペプチドの発現は誘導するがPIG-Aの発現には影響をあたえない。しかしTNF-αはDAFペプチドおよびPIG-αの両者の発現を遺伝子レベルで強く誘導した。この結果は、GPIアンカー蛋白の発現制御機構の複雑性を示す初めての知見であり興味深い。おそらく、膵炎において、DAFの発現は複雑の分子レベルの制御を受けているのと考えられる。今回得られた知見をもとに、本年度(平成10年度)に計画している臨床材料を用いた検討にすすみたい。 一方、DAF遺伝子欠損マウス(KOマウス)の作成を試みている。現在までにおDAF遺伝子の片方に変異を導入したES細胞を樹立し研究中である。ただ、基礎的検討の段階であるが、DAF遺伝子のKOは、致死的となる可能性があり、この点のさらなる検討が必要と考えられる。 GPIアンカー合成酵素PIG-Aに対するポリクローナル抗体の作成に成功しており、平成10年度では、蛋白レベルの解析がさらに可能となるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akira Andoh: "Molecular charactreization of conplement components (C3,C4 and factor B) in human bile" Journal of Clinical Immunology. 17(5). 404-407 (1997)
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[Publications] Ken-ichi Sumiyoshi: "Characterization of complenent C3,C4 and factor B nolecules in human bile" Journal of Gastroenterology. 32. 230-235 (1997)
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[Publications] Ken-ichi Sumiyoshi: "Biosynthesis and secvetion of MHC class III gene products (complenent C4 and factor B) in the exocrine pancreas" Journal of Gastroenterology. 32. 367-373 (1997)
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[Publications] Akira Andoh: "Detection of conplenent C3 and factor B Gene expression in nornal colorectal mucesa,adenomas,and cenrinonas." Clinical and Experinental Immunology. 111(3). 477-483 (1998)
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[Publications] Toshio Kimura: "A blockcde of complement activation prevents rapid intestinal ischeia reperfusion injury by nadulating ・・・・・." Clinical and Experimental Immnology. 111(3). 484-490 (1998)
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[Publications] Akira Andoh: "Tunor necrosis factor α and interlenkin-4 inducis deccy-accelerating factor gene expression in intestinol epithelial cells ・・・・." Macosal Solutions.Adrances in Mucosal Immunology. Vol.1. 75-83 (1998)