1997 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞の癌化に伴う増殖調節機構の異常とその制御 -TGF-βシグナル伝達異常の遺伝子解析と遺伝子治療への応用-
Project/Area Number |
09470138
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木曽 真一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
福田 和人 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
松田 幸彦 大阪大学, 医学部, 助手 (90283770)
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
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Keywords | 肝細胞癌 / TGF-β レセプター / 遺伝子変異 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
私共は従来よりTGF-βに対する反応性の喪失により肝細胞が自律的増殖能を獲得するという立場よりヒト肝発癌の分子機構解明へのアプローチを行っている。 事実、私共は多くのヒト肝癌由来細胞株において、TGF-βに対する反応性が著しく低下していることを明らかにしてきた。 この反応性の低下は、TGF-βレセプターの欠損のみならず、TGF-βシグナル伝達経路の異常が大きく係わっている。 私共はヒト肝癌におけるTGF-βシグナル伝達経路の異常を明らかにするため、TGF-βシグナルとPDGF,EGFなどの増殖因子シグナルのクロストークについて検討した。 TGF-βで繊維芽細胞を刺激すると、c-Srcには変化を来さないが、v-Srcや増殖因子による刺激後に活性化されたc-Src、さらにSH3ドメインを欠いたSrc蛋白量およびキナーゼ活性は著明に減少することが見いだされた。 この反応は蛋白分解酵素阻害剤の添加により抑制されることから、ある種の蛋白分解酵素が活性化され3次構造が変化したSrcを分解することによると推測される。 このため、増殖因子のシグナルは抑制されることをはじめて明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] N.Ito, S.Kawata, et al.: "Increased circulating TGF-β in a patient with giant hepatic hemangioma" Hepatology. 25(1). 93-96 (1997)
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[Publications] T.Nagase, S.Kawata: "Manumycin and gliotoxin derivative KT7595 block Ras farnesylation and cell growth." Brit. J. Cancer. 76(8). 1001-1010 (1997)
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[Publications] K.Fukuda, S.Kawata, et al.: "TGF-β1-induced degradation of activated Sre tyrosine kinase in rat fibroblast." Oncogene. (印刷中).
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[Publications] S.Kiso, S.Kawata, et al.: "Efficacy of combined theory of interferon-α with ursodeoxy-chelic acid in chronic hepatitis C." J. Gastroenterol.32(1). 56-62 (1997)
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[Publications] Y.Imai, S.Kawata, et al.: "Recombinant interferon-α_2a for treatment of chronic hepatitis C." Livor. 17. 88-92 (1997)
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[Publications] E.Shinohara, S.Kawata, et al.: "Interferon-α induces disorder of lipid metabolism by for using pastheparin lipases and CETP activities in chronic hepatitis C." Hepatology. 25(6). 1502-1506 (1997)
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[Publications] 津島博史, 河田純男: "動脈硬化研究ストラテジー。TGF-β" 秀潤社, 300 (1997)