1998 Fiscal Year Annual Research Report
follistatin様構造をもつ新規EGF様蛋白質の消化管粘膜における役割
Project/Area Number |
09470139
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
坂本 長逸 日本医科大学, 医学部, 教授 (30196092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤盛 孝博 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30095385)
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Keywords | EGF / follistatin / 胃粘膜上皮細胞 |
Research Abstract |
1) TR遺伝子の発現 TRcDNAをプロープとして各種細胞株のTR発現をnorthern解析すると、A172glioblastoma,3Y1Embryo fibroblastにTRの高発現を認めた。マウス胎児では胎生11日よりTR発現を認めた。免疫染色では消化管上皮細胞基底膜、消化管粘膜内間葉系細胞、腎メサンギウム細胞、中枢神経グリア細胞、神経細胞に強い免疫活性を認めた。とりわけ免疫電顕にてTRの局在を詳細に検討すると、胃粘膜においては胃粘膜上皮細胞基底膜直下の幼弱な間葉系細胞の細胞膜上にTRの免疫活性を認めた。 2) TR遺伝子の導入と発現TR蛋白の解析 TRは膜貫通ドメインとEGFドメインの間で蛋白分解を受けて細胞から放出され、medium中でさらにEGFドメインとfollistatinドメインの間で蛋白分解を受けるものと思われた。 3) 精製TRの生物学的作用 (1)TRにはEGF受容体、erbB2、erbB3のリン酸化刺激作用を認めなかった。 胃癌細胞株MKN1ではDNA合成が抑制される傾向を常に示すが,いつもばらつきが大きく一定の値を示さない。(2)ある種の大腸癌では免疫染色でTR発現を認める。(3)TRはactivin、inhibin、BMP-2,OP-1などのTGF-beta蛋白質とのin vitroでの結合実験にて、唯一OP-1との結合性を示したが、この結合もいつもばらつきが大きく一定の値を示さない。 しかしながら、この結果はTRがfollistatin同様にTGF-beta様増殖因子と結合する可能性を示している。TR結合特異的TGF-beta蛋白質の存在が予想される。
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