1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入細胞を用いた肺線維症治療における遺伝子発現安定化の検討評価 多機能器官再生因子HGF遺伝子発現の検討に重点をおいて
Project/Area Number |
09470145
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重柏 政宏 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70261477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏一 大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
佐藤 研 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00215782)
貫和 敏博 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40129036)
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Keywords | HGF / 遺伝子導入 / 肺線維症 / 遺伝子治療 / ブレオマイシン |
Research Abstract |
1.目的 近年肝再生因子として研究分担者中村らによって同定クローニングされた肝細胞増権因子(Hepatocyte growth factor:HGF)は、組織修復に関与するサイトカインである事が報告され、多機能器官再生因子であると認識されている。本研究は分子生物学的手法によって導入されたHGF遺伝子の発現を安定化することによりHGFの生体内での発現を適切な量とし、疾患治療をより有効に導くことを目的とする。 2.方法 (1)培養細胞にヒトHGFcDNAを遺伝子導入し、HGF発現の検討を行った。 (2)マウスにラットHGFcDNA組み込みアデノウィルスベクターを用いてin vivoの遺伝子導入を行い、HGFの発現を検討した。また、ブレオマイシン(BLM)による肺線維化モデルマウスにアデノウィルスベクターを用いたHGF遺伝子導入を行い、線維化の治療効果を検討した。 (3)HGFによる動物肺線維症治療実験を行い、その作用機序を検討した。 3.結果 (1)培養細胞(A549細胞、293細胞)にpCI-neo Mammallian Expression vectorを用いてヒトHGFcDNAを遺伝子導入し、培養上清及び細胞内に導入HGFが発現していることを確認した。この細胞においてHGFの発現は比較的安定して見られた。 (2)アデノウイルスベクターを用いた腹腔への遺伝子導入では、肝臓に強いHGFの発現がmRNA・蛋白ともに認められ、臓器内 HGF 濃度は投与3日後にピーク(286.0 ng/g-tissue)を示し7日目に前値近くまで低下した(111.9ng/g-tissue)。肺においても同様の傾向を示した。アデノウイルスベクター投与によりBLMによる肺線維化は著明に抑制された。 (3)HGFは肺胞上皮細胞に対し抗アボトーシス作用を示し、またin vivoにおいて抗TGF-βl作用を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yaekashiwa et al.: "Simul taneous or deloyed administration of hepatocyte growth factor〜" Am J Respir Crit Care Med. 156(6). 1937-1944 (1997)
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[Publications] Abe T et al.: "Bacterial preumonia causes augmented expression of the secretory〜" Am J Respir Crit Care Med. 156(4). 1235-1240 (1997)
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[Publications] Kikuchi T et al.: "Stumoture of the murine secretory leukoprotease inhibitor〜" Am J Respir.Cell Mol Biol. 19(6). 875-880 (1998)
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[Publications] Tahara M et al.: "Hepatocyte growth factor leads to recovery from〜" J Clin Invest. 103(3). 313-320 (1999)
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[Publications] 貫和敏博,八重柏政宏: "6.肺線維症(間質性肺炎),in.「HGFの分子医学」" 中村敏一,荻原俊男監修 メディカルレビュー社, 221 (1998)