1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
糸山 泰人 東北大学, 医学部, 教授 (30136428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 一男 東北大学, 医学部, 助手 (70280873)
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Keywords | multiple sclerosis / optic-spinal form / anti-nuclear antibody / ANCA / myelitis / anti-thyroid antibody |
Research Abstract |
(A)視神経脊髄型MS(OSMS)の頻度:東北大学神経内科および関連施設の多発性硬化症(MS)74例中,臨床および検査所見から視神経脊髄型MS(OSMS)と診断された症例は19例(25.7%)であった. (B)自己抗体と臨床病型の関連:(1)66例のMS患者における抗核抗体検査では,13例(19.7%)が陽性であり,OSMSあるいは西洋型MSの病型による抗体保有率の差はみられなかった.(2)一方,46例のMS患者の病型と抗甲状腺抗体(ATAbs)の有無をretrospectiveに検討したところ,6例がATAbs陽性であった.このうち5例は女性のOSMSであり,病型別の抗体保有率はOSMSでは26.3%,西洋型MSでは3.1%と,ATAbsはOSMS症例において有意に高頻度にみられた.ATAbs保有者における免疫異常とOSMSの病態との関連は今後の検討課題である.(3)好中球細胞質抗体(ANCA)は,種々の血管炎で検出されている.最近,深澤らは約半数のOSMS症例にANCAが検出されたことを報告しており,OSMSの発症機序への血管障害の関与を示唆した.我々は,自験MS58例,脊髄炎17例,他の神経疾患23例において間接蛍光抗体法にてANCAの検討を行った.その結果,脊髄病変を有するMS3例および原因不明の脊髄炎2例が核周囲性ANCA(pANCA)陽性であった.OSMSではANCA陽性例はなかった.ANCA陽性症例は全例女性であり,種々の重症度の急性あるいは亜急性のミエロパチーであった.脊髄MRIでは神経症候に相当する部位髄内病変が確認された.また通常のMSと異なりこれら5例では脳脊髄液中の著明な細胞増多(3例では好中球優位)とタンパク量の上昇がみられた.pANCAが認識する抗原は,単相性脊髄炎を呈した2症例ではmyeloperoxidaseであったが,MSと診断され再発性脊髄炎がみられた3例では不明であった.これらのANCA陽性の脊髄炎は,その病態に血管障害が関与する特殊な一群かもしれない.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakashima I: "Clinical and MRI features of myelitis patients with anti-neutrophil cytoplasmic antibodies" Neurology. 48. A424 (1997)
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[Publications] Nakashima I: "Clinical and laboratory features of myelitis patients with anti-neutrophil cytoplasmic antibodies" J Neurol Sci. (in press).