1999 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン病におけるプリオン蛋白変換の分子機構解明と脳組織内変換の場の特定
Project/Area Number |
09470154
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片峰 茂 長崎大学, 医学部, 教授 (40161062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 和人 長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
坂口 末廣 長崎大学, 医学部, 講師 (60274635)
調 漸 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (40264220)
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Keywords | プリオン病 / プリオン蛋白 / ペプチド / ファージディスプレイ / ノックアウトマウス / 神経細胞死 |
Research Abstract |
プリオン病の本態は、中枢神経系における異常プリオン蛋白(PrP^<Sc>)との相互作用に基づく正常プリオン蛋白(PrP^c)のPrP^<Sc>への構成的変換であると考えられている。本研究では、このPrP^c/PrP^<Sc>間の蛋白蛋白相互作用を制御しプリオン病の治療あるいは発症予防に寄与する薬理物質の侯補として短鎖ペプチドを取り上げた。ランダムペプチド・ファージライブラリ(12mer)よりリコンビナントPrP(121-231)への結合活性を有するファージをパニングにより濃縮し、ランダムに72プラークをクローニングした。塩基配列決定によりこれらは各々独立した6種類のファージクローンより成ることが判った。EIAにより5/6に特異的結合が確認された。相応する合成ペプチドを用いた解析では、3種類のペプチドがそれぞれのファージのPrPへの結合を容量依存的に特異的に抑制することが判明し、さらにIAsys cuvette systemを用いた解析によりこれら3種類の合成ペプチドのPrPへの高親和性結合を直接証明することができた。現在、これらのペプチドがPrP^c/PrP^<Sc>間の蛋白蛋白相互作用を制御しうるか否か、無細胞系および培養細胞を用いたPrP変換系により検討中である。 またNSEプロモーターあるいはGFAPプロモーターに支配されたPrP cDNAを有するトランスジェニックマウス(B.Chesebro博士より供与)との交配によりこれらトランスジーンをPrP欠損マウスに導入した。われわれが過去にPrP欠損マウスに見い出した二つの表現型、(1)プリオン感染に対する抵抗性(2)神経細胞死、に及ぼすこれらのトランスジーンの効果を現在解析中でありPrP^c/PrP^<Sc>変換および神経細胞死に直接関与する細胞種の特定できるものと思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Katamine,S.et al.: "Impaired motor coordination in mice lacking prion protein."Cell.Mol.Neurobiol.. 18. 731-742 (1998)
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[Publications] Satoh,J.et al.: "Cultured skin fibroblasts isolated from mice devoid of the prion prote in gene express major heat shock proteins in response to heat stress"Exp.Neurol.. 151. 105-115 (1998)
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[Publications] Nishida,N.et al.: "A mouse prion protein (PrP) transgene rescues Purkinje cell degeneration and demyelination in mice deficient for PrP"Lab.Invest.. 79. 689-697 (1999)
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[Publications] Moore,R.C.et al.: "Ataxia in prion protein (PrP) deficient mice associated with upregulation of the novel PrP-like protein doppel"J.Mol.Biol.. 292(4). 797-817 (1999)
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[Publications] Deli,M.et al.: "Pentosan in transmissible spongiform encephalopathies"Lancet. 353. 1272 (1999)
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[Publications] Kopacek,J.et al.: "Upregulation of the genes encoding lysosomal hydrolases,a perforin-like protein,and peroxidases in the brains of mice affected with an experimental prion disease"J.Virol.. 74. 411-417 (2000)