1998 Fiscal Year Annual Research Report
HAMの臨床病態・発症機序の解明並びに新治療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
09470155
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇宿 功市郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30281223)
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30143811)
中川 正法 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (50198040)
有村 公良 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20159510)
|
Keywords | HAM / HTLV-I / ウイルス量 / neopterin / ウイルス抗体価 / 感染細胞数 |
Research Abstract |
HAM209例、家族54例、キャリア152例のprovirus量を定量し、平均HTLV-I provirus量はHAM7.87%(vs家族p<0.01、vsキャリアp<0.01)、家族5.24%(vs キャリア p<0.01)、キャリア1.08%であり、HAM及びその家族で明らかにprovirus量が増加していた。HTLV-I provirus量の分布はHAM、家族では10%を中心にピークが見られ、キャリアでは1%を中心にピークがあり、provirus量増加の背景には遺伝要因があることが示唆された。HAMとキャリアのprovirus量をDNA採取時の年代別に検討した場合にも、全ての年代においてHAMでprovirus量が増加していた。HAM発症時年齢、HAMの病悩期間とprovirus量の検討では、有意の相関は認められなかったが、発症後25-30年以上の症例でprovirus量が減少する傾向が観察された。HAM患者のprovirus量は、脳脊髄液中の炎症の指標になるとされているneopterinとの正の相関(r=0.38、p<0.01)が認められ、今後症例毎の経過年数、治療経過との相関の検討が重要であることが明らかとなった。更にHTLV-Iprovirus量はHTLV-I PA抗体価と相関すること(HAM、家族、キャリア共に)が示された。HAM発症リスクをプロウイルス量の面から検討すると、末梢血リンパ球の1%以上(CD4リンパ球では4%以上)にHTLV-I感染細胞が増加するとHAM発症の危険性が増加してくるという極めて重要な事実が明らかとなった。更に脊髄病変部におけるHTLV-Iウイルス局在を的確に証明できる方法の開発に成功した。免疫染色とPCR in situ hybridization(PCR-ISH)の二重染色をHAM脊髄内病変に対して行い、HTLV-I proviral DNAの局在を明らかにするもので、UCHL-1抗体(CD4陽性memory T細胞を染色)、KP-1抗体(マクロファージを染色)で免疫染色後にHTLV-I pX領域のprimerおよびprobeを使用し、PCR-ISHを行った。PCR-ISH陽性細胞は主に血管周囲に、UCHL-1陽性細胞も主として血管周囲に観察された。UCHL-1陽性細胞中のPCR-ISH陽性細胞は症例平均で7.5%であった。UCHL-1陰性細胞にはPCR-ISH陽性細胞はほとんどなく、KP-1陽性細胞でPCR-ISH陽性細胞は観察されなかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Nagai,M.,et al.: "Analysis of HTLV-I proviral load in 202 HAM/TSP patients and 243 asymptomatic HTLVーI carriers:High proviral load strongly predispose to HAM/TSP." J.NeuroVirol.4. 586-593 (1998)
-
[Publications] Matsuoka,E.et al.: "Perivascular T-cells are infected with HTLV-I in the spinal cord lesions with HAM/TSP:Double staining of immunohistochemistry and PCR in situ hybridization." Acta Neuropathol. 96. 340-346 (1998)