1999 Fiscal Year Annual Research Report
心筋炎における炎症惹起エピトープ決定とアポトーシスの解析および合成ペプチド療法
Project/Area Number |
09470164
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸本 千晴 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70169845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安冨 康宏 三重大学, 医学部, 助教授 (90281724)
栗林 景容 三重大学, 医学部, 教授 (10064578)
落合 宏 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30018692)
今中 恭子 (吉田 恭子) 三重大学, 医学部, 講師 (00242967)
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Keywords | ウイルス性心筋炎 / 拡張型心筋症 / コクサッキーB3ウイルス / アポトーシス / エピトープ / ペプチド療法 |
Research Abstract |
マウスコクサッキーB3ウイルス性心筋炎の、拡張型心筋症動物モデルでは、その背景に免疫学的異常が関与する。すなわちウイルス性感受性は個体の持つ遺伝学的背景によるところが大であること、次に重症度に密接に関係するのはT細胞(特に幼弱型)であることなどである。一方、現在コクサッキーB3ウイルスには、心筋炎惹起型(CB3M)と心筋炎非惹起型(CB30)が存在し、蛋白レベルでは27kdのスーパー抗原関連部分に差異が存在することを証明している。 ウイルスゲノムの解析を行った。感染vero細胞から2種のウイルス粒子を精製し、これよりウイルスRNAを単離した。上記ウイルス蛋白解析から違いが推定されるウイルス蛋白質ゲノムにまず着目し、これらゲノムのcDNAをPCRを用いて作成、このとき既知のCB3塩基配列を参考にして数種のプライマーを合成、cDNAの塩基配列を決定した。現在我々当研究チームは、その塩基およびアミノ酸配列の差を分析し7ケ所の変異を認めた(第45回日本ウイルス学会報告)。また、いわゆるScidマウスでのCB30とCB3Mを用いた自己免疫性心筋炎のモデルも開発した(第20回心筋代謝研究報告)。次に、in vivoでの炎症性サイトカイン誘導性などの異なる性質を、CB3MとCB30の配列より明らかにし、Scidマウスでのウイルス性心筋炎後の自己免疫性機序がほぼ解明できた。現在は合成ペプチドによるT cell receptorをブロックする治療法を開発中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kishimoto C, Takada H, Hiraoka Y: "Intravenous IgG. Supertherapy for myocarditis and acute dilated cardiomyopathy"Circulation. 99. 975-976 (1999)
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[Publications] Kishimoto C, Lee JD, Shimizu H, Ueda T, Maruya E, Saji H: "HLA antigenes in patients with variant angina in Japan"Int J Cardiol. 70. 249-252 (1999)
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[Publications] Kishimoto C, Kawamata H, Sakai S, Shinohara H, Ochiai H: "Role of MTP-2 in coxsackievirus B3 myocarditis."J Mol Cell Cardiol. 31. 2210-2218 (1999)
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[Publications] 岸本千晴: "シリーズ、心筋炎(V) 心筋炎における病因エピトープの解析"循環. 20(2). 24-27 (1999)
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[Publications] 岸本千晴: "シリーズ、心筋炎(VI) 心筋症の定義について-valvular cardiomyopathyあるいはinflammatory cardiomyopathyなど-"循環. 20(4). 20-22 (1999)
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[Publications] 岸本千晴: "シリーズ、心筋炎(VII) 心尖部肥大型心筋症について"循環. 20(7). 9-11 (1999)
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[Publications] 岸本千晴: "心筋炎"わかりやすい内科学. 5 (1999)
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[Publications] 岸本千晴、石橋正俊、安田常宏: "実験的ウイルス性心筋炎におけるミオシン心筋シンチを用いた心筋障害の検出"心筋の構造と代謝. 5 (1999)