1998 Fiscal Year Annual Research Report
機械刺激・液性刺激による心筋細胞肥大の分子機構の解明-心筋・非心筋細胞の相互関係
Project/Area Number |
09470168
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (30250260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 公則 京都大学, 人間環境学研究科, 助手 (40271598)
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Keywords | カルディオトロフィン-1 / エンドセリン-1 / 非心筋細胞 / フィブロネクチン / 心筋肥大 |
Research Abstract |
心肥大では、心筋細胞と非心筋細胞のクロストークが重要である。最近我々は、興味深い知見を観察した。第一には、エンドセリン-1 (ET-1)と新しい肥大因子であるカルディオト口フィン-1 (CT-1)に関して検討を加えた。ET-1はラット非心筋細胞より生合成され心筋細胞を直接肥大させることを我々は既に報告してきたが、CT-1もET-1と同様に培養系においては主として非心筋細胞で分泌され心筋細胞に働いて心筋肥大を惹起する、パラクライン因子であることを中和抗体を用いて証明した。 しかしながら、CT-1とET-1で引き起こされる心筋肥大のパターンは異なっており、CT-1は長軸方向に細長く肥大させるのに対してET-1は縦横比がほぼ一定の肥大させる。また、肥大のマーカーであるANP・BNP分泌を検討するとET-1と比べCT-1はBNPをより選択的に分泌亢進させることを明らかにしそれがmRNAの安定化より転写を亢進させた結果であることをRun-onアッセイで証明した。 ET-1とCT-1のBNP遺伝子転写調節機序をリポーター遺伝子を用いて更に検討すると、ET-1はBNP転写開始点より約200bp上流に存在するMCATとGATAが協調して働いていることを確認したがCT-1に応答するエレメントはBNP遺伝子転写開始点より上流6Kbpまでには存在しなかった。 ファイブロネクチンに代表とされる細胞外マトリックスは従来心臓においては心臓の拡張能を低下させる受動的な存在として考えられていたが、我々は本研究で能動的にFAKを介して心筋細胞内に情報を伝達し心筋細胞肥大に関与している可能性を示し、心筋細胞と非心筋細胞とのクロストークに液性因子だけでなく細胞外マトリックスもその言語として働いていることを証明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Nakayama: "A T-786 C mutation in the endothelial nitric oxide synthase gene is associated with coronary apasm:reduction in pomorter activity." Circulation. (in press). (1999)
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[Publications] K.Kuwahara: "Involvement of cardiotrophin-1 in cardiac myocyte-nonmyocyte interactions during hypertrophy of rat cardiac myocytes in vitro" Circulation. (in press). (1999)
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[Publications] Y.Shimasaki: "Association of the Missense Glu 298 Asp Mutation of the Endothelial Nitric Oxide Synthase Gene With Myocardial Infarction" J.Am.Coll.Cardiol.31(7). 1506-1510 (1998)
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[Publications] M.YOSHIMURA: "A Missense Glu298Asp Variant in the Endothelial Nitric Oxide Synthase Gene is Associated With Coronary Spasm in the Japanese." Human Genetics. 103. 65-69 (1998)
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[Publications] Y.Miyamoto: "Endothelial Nitric Oxide Synthase Gene is Positively Associated With Essential Hypertension." Hypertension. 32. 3-8 (1998)
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[Publications] M.Suda: "Skeletal overgrowth in transgenic mice that overexpress brain natriuretic peptide." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 95(5). 2337-2342 (1998)