1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子・個体レベルでのアンジオテンシンII'2型受容体発現調節と生理機能の解明-転写調節核蛋白の単離と遺伝子操作動物を用いた血管作用の検証
Project/Area Number |
09470175
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松原 弘明 関西医科大学, 医学部, 講師 (10239072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 泰清 関西医科大学, 医学部, 助手 (40268371)
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Keywords | アンジオテンシンII / アンジオテンシン受容体 / アンジオテンシン2型受容体 |
Research Abstract |
1. 遺伝子操作動物を用いて明らかになったアンジオテンシンAT1受容体・AT2受容体の新たな病態生理作用の発見 アンジオテンシンAT1・AT2受容体の心筋・血管壁特異的トランスジェニックマウスの作製に初めて成功した。AT1が心房では高度房室ブロック、心室では致死性不整脈を誘発し、著明な心筋細胞肥大作用を引き起こすこと、AT2が心筋ではβ遮断薬に類似した陰性変時作用を引き起こし、降圧効果を発揮することを見いだした。さらにAT2は血管壁ではブラジキニン/NO産生を刺激し内皮依存性血管抵抗減弱作用を介して降圧作用を発揮することを見いだした。これは、AT1受容体の不整脈誘発・細胞肥大増殖作用を初めて個体レベルで証明したとともに、AT2受容体が抗AT1作用を発揮し、新たな機序での降圧・臓器保護効果を持つことを初めて示した。 2. アンジオテンシンIIによる細胞増殖作用の大部分は上皮成長因子(EGF)受容体の共役活性化機構を介し伝達される AugIIはAT1受容体を介して強力な細胞増殖作用を発揮し、これにはERK増殖キナーゼが深く関与する。申請者はAT1受容体の下流シグナルであるCa^<2+>増加がEGF受容体をチロシンリン酸化し、このEGF下流シグナルはAngIIの細胞増殖作用のすべてを伝達することを見いたした。これはAngIIの細胞増殖作用は単にEGFの増殖シグナルを見ていたにすぎないという臨床家にとってもショックな発見であるとともに、Ca^<2+>を伝達分子とするG蛋白結合受容体はEGFシグナルを介して細胞増殖作用を誘導することを意味する。申請者はさらに、Ca^<2+>の下流でCa^<2+>感受性チロシンキナーゼPyk2がEGF受容体の共役活性化に関与することも初めて見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Matsubara H: "Pathelogical roles of angiotensin II type2 receptor in cardiovascular---" Circ Res. 83・1. 1182-1191 (1998)
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[Publications] Tsutsumi Y 他6人: "Angiotensin II type2 receptor is upregulated in human heart with---" Circ Res. 83・10. 1035-1046 (1998)
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[Publications] Murasawa S 他6人: "Role of calcium-sensitive tyrosine kinase Pyk2/LAKβ/RAFTK---" Hypertension. 32・4. 668-675 (1998)