1997 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患に合併する肺高血圧症発生に血行力学因子が果たす役割の解明
Project/Area Number |
09470177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 正義 東京大学, 医学部・付属病院, 教授 (90049031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀藤 均 東京大学, 医学部・付属病院, 講師 (70214393)
安藤 譲二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20159528)
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Keywords | 肺高血圧 / 血管内皮細胞 / ずり応力 / 伸展張力 / 分子生物学 |
Research Abstract |
平成9年度の研究計画に基づき、ずり応力、伸展張力同時負荷装置を作成し、血管内皮細胞に対する負荷実験を行い下記の結果を得た。 1.流れ負荷装置の性能評価は、流量、内圧、弾性チューブ外径をリアルタイムで計測し、回路内にポリスチレンビーズを流してハイスピードビデオで撮影して可視化を行い、流れのプロファイルを確認した。低粘性の流体を灌流させた場合、レイノルズ数の増加に伴い乱流を生じた。同じ負荷条件で、デキストラン(MW150,000)を加え灌流液の粘性を上げることにより、層流を得る事ができた。 2.細胞親和性の高いシリコンをdipping法により厚さ約90μmの円筒管に成型した。この弾性チューブ内に血管内皮細胞を培養し、ずり応力(shear stress):8dyn/cm^2、伸展張力(cyclic strain):10%の条件でずり応力単独負荷、伸展張力単独負荷、及び同時負荷を行った。24時間後、Total RNAを抽出し、RT-PCR法により代表的な血管作動性物質である一酸化窒素合成酵素(ecNOS)とEndothlin 前駆体(PPET)のmRNAレベルの変化を検討した。その結果、PPETのmRNAは伸展張力負荷で増加し、ずり応力負荷では減少した。ずり応力、伸展張力同時負荷では変化を認めなかった。ecNOSのmRNAは伸展張力負荷に対して変化がなかったが、ずり応力単独負荷で増加し、ずり応力、張力同時負荷では、ずり応力と同程度の増加が見られた。
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