1999 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィンの新しい心筋特異的分子種のクローニングとその病態的意義の解明
Project/Area Number |
09470182
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 雅文 神戸大学, 医学部, 教授 (10157266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹島 泰弘 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281141)
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Keywords | ジストロフィン / エクソン / イントロン / 拡張型心筋症 |
Research Abstract |
ジストロフィン遺伝子からは、多種のプロモーターと多様な選択的スプライシングにより多くのジストロフィンの分子種が産生されてきている。しかし、ジストロフィン遺伝子が極めて巨大な遺伝子であり、全構造が未だ解明されていないことから、さらに未知の分子種の存在が強く示唆されている。実際、Duchenne型筋ジストロフィーでは拡張型心筋症が高率に合併しているが、その発症機序は未だ解明されていない。本合併症の発症に未知の新しい分子種が関与している可能性が強い。本研究では、ジストロフィン遺伝子の新しい分子種を解明するために、ジストロフィン遺伝子から転写されて産生されたmRNAを逆転写酵素(RT)PCR法を駆使して解析した。その結果、今までジストロフィン遺伝子の巨大なイントロンと考えられていた配列の中に新しいエクソン領域が存在することを見い出した。すなわち、イントロン2とイントロン3の配列の中にそれぞれエクソン配列が存在し、これが時に正規のジストロフィンmRNAに挿入されているのが発見された。イントロンの配列の中に存在するこの2つの配列は一次構造的にはエクソンの構造を保持しているにもかかわらず、正規のジストロフィンmRNAに組み込まれていることは稀であった。 今後、今回クローニングできたエクソンにコードされている新しいジストロフィン分子種についてその病態的意義を明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Chen,DH,Takeshima,Y,Ishikawa,Y,Minami,R and Matsuo,M.: "A novel deletion of the dystrophin S-promoter region cosegregating with mental retardation"Neurology. 52. 638-640 (1999)
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[Publications] Surono,A,Takeshima,Y,Wibawa,T,Ikezawa,M,Nonaka,I and Matsuo,M.: "Circular dystrophin RNAs consisting of exons that were skipped by alternative splicing"Hum Mol Genet. 8. 493-500 (1999)
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[Publications] Patria,SY,Takeshima,Y,Suminaga,R,Nakamura,H,Iwasaki,R,Minagawa,T and Matsuo,M.: "A simple explanation for a case of incompatibility with the reading frame theory in Duchenne muscular dystrophy: failure to detect an aberrant restriction fragment in Southern blot analysis"Brain Dev. 21. 386-389 (1999)
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[Publications] Dwi Pramono,ZA,Takeshima,Y,Surono,A,Ishida,T and Matsuo,M.: "A novel cryptic exon in intron 2 of the human dystrophin gene evolved from an intron by acquiring consensus sequences for splicing at different stages of anthropoid evolution"Biochem Biophys Res Commun. 267. 321-328 (2000)
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[Publications] Wibawa,T,Takeshima,Y,Mitsuyoshi,H,Surono,A,Nakamura,H and Matsuo,M.: "Complete skipping of exon 66 due to novel mutations of the dystrophin gene was identified in two Japanese families of DMD with severe mental retardation"Brain Dev. (in press). (2000)