1998 Fiscal Year Annual Research Report
情動ストレスに対するコービング行動と免疫能の相関についての基礎的研究
Project/Area Number |
09470209
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田代 信維 九州大学, 医学部, 教授 (80037407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 尚吾 九州大学, 医学部, 助手 (70284502)
尾籠 晃司 九州大学, 医学部, 助手 (40211817)
久保 千春 九州大学, 医学部, 教授 (80117100)
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Keywords | 情動 / ストレス / 視床下部 / サイトカイン / コーピング / 神経免疫学 |
Research Abstract |
1. 実験動物の作製:ネコ視床下部に東大脳研型脳定位固定装置(今年度購入)を用い、刺激電極を埋め込む手術を田代・山田が分担し、実験に必要な不穏情動行動が出現するネコを作製して、現在維持している。 2. スイッチ切り行動の学習:観察箱2個(昨年度購入)を用い、ネコにスイッチ切り行動を学習させた。ネコは電気刺激により不穏行動を表出し、鼻先でスイッチを押して刺激を回避する「スイッチ切り行動(情動ストレスに対するコーピング行動の一種であると考えられる)」を容易に学習した。頭部に通電中点灯するランプを設置し、その軌跡を学習箱に付属するビデオカメラで録画し、行動分析装置(昨年度購入)で運動量や行動の方向性を分析したところ、電気刺激開始からスイッチを切るまでのネコの動きが、おおよそ3つの相に分けられることが確認された。また、スイッチを切れない条件下では、これら3相の区別が不明瞭になることが分かった。以上は田代・山田・尾籠が分担した。 3. スイッチ切り行動の有無による免疫反応変化の違いを調べる本実験:予備実験として、スイッチを切れる時と切れない時(ストレスに対するコーピング行動が可能な時と不可能な時)の間で、各種免疫パラメーターに差異が現れる刺激条件を検討した。その結果、十分にスイッチ切り行動を学習していて、毎回電気刺激開始後2秒前後でスイッチを切るネコであれば、5分間隔で1時間、合計12回の電気刺激(すなわち総刺激時間は20秒-30秒になる)によって、末梢血白血球数、白血球分画にスイッチを切れる時と切れない時の間で差が生ずることがわかった。以上は田代・久保・山田・尾籠が分担した。
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