1997 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病の同胞対照法によるマイクロサテライトマーカーを用いた分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
09470211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
米田 博 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30140148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 泰之 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10268211)
康 純 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40257853)
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Keywords | 精神分裂病 / 連鎖研究 / 同胞対照法 / 相関研究 / DNAマーカー |
Research Abstract |
精神分裂病同胞発症例について、SCIDを用いたDSMによる診断、ならびにPANSSによる症状評価を行ない、さらに20mlを採血し、DNAの抽出を行っている。現在までに40組の臨床症状評価ならびにDNAの抽出を完了している。しかしながら、同胞対照法による連鎖解析にはさらに多くの症例が必要であるため、マイクロサテライトマーカーによる解析は未だ行っていない。マイクロサテライトマーカーにより、全染色体上を詳細に検討することは有力な方法ではあるが、他方相関解析によって、これまでに精神分裂病の発症に関連すると考えられる遺伝子を調査することも有用である。そこで我々がこれまでに明らかにしたセロトニン2A受容体遺伝子に加え、セロトニン1Aについても調査を行った。その結果セロトニン2A受容体遺伝子については、有意な相関が確認された。またセロトニン1A受容体遺伝子については明らかな相関はみられなかった。さらに精神分裂病との遺伝的な関連が問題となる非定型精神病については、セロトニン2A受容体遺伝子との相関が見られなかった。これらの結果から、セロトニン2A受容体遺伝子が定型的な精神分裂病の発症に関与しているものと考えられる。しかしながら、相関研究ではセロトニン2A受容体遺伝子の近傍の遺伝子が関与している可能性を明らかにすることが困難である。そこで今後、セロトニン2A受容体遺伝子近傍のマイクロサテライトマーカーを重点的に解析する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sakai,J., Inayama,Y., Yoneda,H., et al.: "Lack of association between bipolar attective disorder and the serotonin 2A recepton gene poly morphism" Bull.Osaka Med.Coll.43・1. 9-14 (1997)
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[Publications] Yokota S, Yoneda H, et al.: "A clinico-genetic sendy on schigophrenia in monozygotic twins reared apart" Bull.Osaka Med.Coll.43・1. 67-73 (1997)
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[Publications] Koh J, Inayama Y, Yoneda H, et al.: "Lack of point mutation of the amgloid precursor protein gene in schizophrenia" Bull.Osaka Med.Coll.43・1. 75-79 (1997)
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[Publications] 米田 博: "精神神経科領域の分子遺伝学の進歩" Bio Clinica. 13・2. 171-174 (1998)
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[Publications] 米田 博: "薬物依存症に関する遺伝子" 脳の科学. 20・3. 275-280 (1998)