1999 Fiscal Year Annual Research Report
PETによる気分障害患者の脳内トランスポーターおよび受容体研究
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09470212
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
須原 哲也 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (90216490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田平 輝志 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (50181029)
大久保 善朗 東京医科歯科大学, 大学院, 助教授 (20213663)
鈴木 和年 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (90162932)
中山 和彦 東京慈恵会医科大学, 精神医学教室, 助教授 (70155878)
村山 秀雄 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (50166310)
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Keywords | PET / 内在性セロノニン / 5-HT1A受容体,5-HT7受容体 / うつ薬 / 〔11C〕WAY100635 |
Research Abstract |
人間において内在性セロトニン量の測定が可能となれば、その応用範囲は極めて大きいものとなる。我々は5-HT_<1A>受容体のアンタゴニストであるWAY100635(以下WAY)を用いて、内因性のセロトニンの動態をラット及びサルのPETによって評価を行った。対象はSDラット及びRhesus Monkeyであり、PETカメラはSHR7700(Hamamatsu Photonics Co., Ltd), AutoradiograghyにはBAS3000(Fuji Film Co., Ltd)を使用した。WAYのInjectiondoseは18.5〜29.6M Bq/kg(0.5〜0.8mCi/kg)であった。WAYの分布はラットの脳内において海馬に最も多く、ついで側頭、前頭、視床下部の順である。一方、サルでは帯状回に最も多く分布し、ついで、前頭、側頭、線条体の順に多く分布していた。この分布がセロトニンの放出によってどのように影響を受けるのかを調べるためにフェンフルラミン負荷を行った。また、レセルピン負荷によるセロトニン枯渇後のWAY結合の変化を測定した。その結果はいずれの部位においてもWAYの結合は有意な変化を示さなかった。さらに、ラットに5,7-DHTを投与しセロトニン神経の破壊を行うことによってWAYの結合部位がシプナスの前後どちらに存在するのかを調べた。その結果、背側縫線核においてWAYの結合がさがり、他の部位では、結合の低下は見られなかった。このことより、WAYの結合部位は背側縫線核を除いてシナプス後に存在していることが示された。 また、近年、セロトニン5-HT_7受容体と、不眠、うつなどの精神疾患との関係が注目されている。特に、ラットにおいてセロトニン選択的再取り込み阻害薬により視床下部のセロトニン5-HT_7受容体が調節をうけることから、本受容体とうつ病との関連研究が盛んに行われるようになってきた。我々はPETを用いて本受容体の精神疾患との関連性を解明すべく、セロトニン5-HT_7受容体に高い選択性を有する新規なPETトレーサーの開発と評価を行っている。今回は、セロトニン5-HT_7に高い親和性かつ選択性をもつ5-HT_7アンタゴニストであるDR4446を選択し、その^<11>C標識体の合成を行った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Suhara T.: "Functional imaging of emotion motivation"Neuroscience Research Suppl. 23. S19 (1999)
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[Publications] T.Suhara,Y.Okauchi,Y.sudo et al.: "Extrastriatal dopamine D2 receptor density and affinity in the human brain measured by 3D PET"International Journal Nmeuropsychopharmacology. 2. 73-82 (1999)
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[Publications] Y.Okubo,H.Olsson,H.Ito,T.Suhara et al.: "Computerized atlas of extrastriatal De dopamine receptors in the living human brain : ....."Neuro,Image. 10. 666-674 (1999)
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[Publications] Y.Akine,T.Obata,Y.Suhara,S.Umeda et al.: "Neural correlates of fal recognition : a functional MRI study"NeuroImage. 9(6). S984 (1999)
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[Publications] T.Suhara: "PET in neuropsyciatric drug pharmacokinetics"Japan Journal of Pharmacology. 79(Suppl I). 27 (1999)
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[Publications] 山本正浩、須原哲也、大久保善朗: "人格と脳機能画像"脳の科学. 21. 1069-1074 (1999)
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[Publications] 染谷康宏、秀野武彦、須原哲也: "第18章精神科診療における画像診断 プライマリーケアのための心の病診療プラクティス"清水信・中山和彦編 永井書店、東京. 193-202
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[Publications] 安野史彦、須原哲也: "臨床精神医学講座 第10巻精神科臨床における画像診断"中山書店,東京,編集責任 松田博史、倉知正佳(印刷中).