1998 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン作用におけるPI-3キナーゼ産物の役割と糖尿病状態における変化
Project/Area Number |
09470214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 知一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70242063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 健英 東京大学, 医学部附属病院, 医員
船木 真理 東京大学, 医学部附属病院, 医員
石原 寿光 東京大学, 医学部附属病院, 医員
片桐 秀樹 東京大学, 医学部附属病院, 医員
佃 克則 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | インスリン / インスリン 作用 / 糖尿病 / PI3-キナーゼ |
Research Abstract |
インスリンによる糖代謝促進作用にはp85/p110タイプPI-キナーゼの活性化が不可欠である。そこで、(1)インスリン抵抗性状態におけるp85/p110タイプPI-キナーゼの活性化の変化、及び(2)p85/p110タイプPI-キナーゼによるリン酸化リン脂質含量の変化とこれらによって導かれる細胞活動を検討した。 1) インスリン抵抗性状態におけるp85/p110タイプPI-キナーゼの活性の変化 日本人におけるインスリン抵抗性要因として代表的なものは肥満と高脂肪食である。我々は過食による肥満動物においては、肝臓、筋肉、脂肪のいずれにおいてもp85/p110タイプPI-キナーゼの活性化が高度に障害されていることを報告した。一方、高脂肪食では筋肉、脂肪においては軽度から中等度の活性化障害が認められるが、肝臓においては逆に活性化が亢進していることを見いだした。これは、高脂肪と過食では、同様にインスリン抵抗性をきたすものの、その分子機構が大きく異なっていることを示唆するものである。 2) p85/p110タイプPI-キナーゼによるリン酸化リン脂質含量の変化 我々はp85/p110タイプPI-キナーゼによってPI3-P、PI3,4-P2、PI3,4,5-P3の他、PI4-PやPI4,5-P2も顕著に増加することを見いだした。すなわち、p85/p110タイプPI-キナーゼはin vivoにおいては、高いPI4-キナーゼ活性を有している可能性が高い。また、p85/p110タイプPI-キナーゼの有するPI4-キナーゼ活性はactinのrearrangementやglucose transporterの細胞膜上への移動などのインスリン作用に密接に関連していることが明らかになった。これらの報告は非常に画期的なものであり、今後さらにインスリンの作用機序や抵抗性機構の解明のbreakthroughとなる知見である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Anai,M.et al.: "Enhanced insulin-induced activation of PI3-kinase in the liver of high-fat fed rats" Diabetes. 48. 158-169 (1999)
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[Publications] Anai,M.et al.: "Different sabcellular distribution and regulation of expression of IRS-3 from those of IRS-1 and IRS-2" J.Biol.Chem. 273. 29686-29692 (1998)
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[Publications] Nakazaki,M.et al.: "Repetive mitochendrial Ca^<2+> signals synchronize with cytosolic Ca^<2+> oscillations in the pancreatic beta-cell line,MIN6" Diabetologia. 41. 279-286 (1998)
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[Publications] Ishihara,H.et al.: "Type I phosphatidylinositol-4-phosphate 5-kinase:Cloning of the there Isoform and dektion/substitution analysis of inamvers of this novel lipid kinase family" J.Biol.Chem.273. 8741-8748 (1998)
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[Publications] Terasaki,J.et al.: "Role of JTT-501,a new insulin sensitizer,in restoring impaird steps in the pathwya of rats fed a-high fat diet" Diabetologia. 41. 400-409 (1998)
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[Publications] Anai,M et al.: "Altered expression levels and impaired steps in the pathway to phosphatidylinesitol 3-kinase activation via insulin receptor substrates 1 and 2 in Zuker fatty rats" Diabetes. 47. 13-23 (1998)