1997 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞白血病における高Ca血症発症機序とその特異的制御-細胞接着分子ならびにサイトカイン遺伝子発現の関与-
Project/Area Number |
09470226
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 順一 産業医科大学, 医学部, 助手 (20227367)
森本 勲夫 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80145234)
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 講師 (30248562)
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Keywords | ATL / 細胞接着 / LFA-1 / イソテグン / G蛋白 / Tax蛋白 / IL-1β遺伝子 / 核内転写因子 |
Research Abstract |
1)細胞接着分子の関与 ATL細胞の内皮細胞とのheterotypicな、組織内の細胞同士のhomotypicな接着が、骨吸収性サイトカインの産生に関与することを確認してきたので、今回は、接着の機序につき検討した。ATL細胞では活性型LFA-1の発現の亢進と、F-actinの著明な重合を認めた。即ち、ATL細胞の接着性の亢進は、インテグリンが既にトリガーされている事に起因する。さらに、ATL細胞は、自発的にMIP等のケモカインを産生し、G蛋白の阻害剤によりF-actinの重合化は抑制され、また、ATL細胞を予め、ケモカインのアンチセンスで前処理すると内皮細胞との接着が抑制された。以上、細胞由来のケモカインがレセプターに結合し、会合するG蛋白を介する細胞内骨格F-actinの重合化を誘導し、インテグリンを活性型に誘導する事によってATL細胞同士、又は内皮細胞との接着がもたらされることを認めた。 2)サイトカイン遺伝子発現の関与 HTLV-I感染およびATL細胞において、HTLV-Iウイルスreplicationに伴いTax蛋白の細胞内発現により、ヒトproIL-1β遺伝子転写が誘導されることが示された。 さらに、ヒトIL-1β遺伝子プロモーター上のNF-IL6及びSpi-1の結合領域にmutationを入れることによリ、Taxのプロモーター誘導はブロックされ、TaxはproIl-1β遺伝子プロモーターのこれらの塩基配列を認識していることが考えられた。さらに、このTaxによる核内転写因子のプロモ-夕ーDNAへの結合誘導は、Tax蛋白とNF-IL6及びSpi-1蛋白が結合することにより、生じていることが明らかとなった。以上、HTLV-1ウイルスDNAにコードされたTax蛋白が核内転写因子との相互作用を介してヒトproIL-1β遺伝子転写を誘導し、骨吸収サイトカインであるIL-1の異常産生をもたらすことが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tanaka,Y., Eto,S. 他: "Constitutive chemokine production results in activation of LFA-1 on adult T cell leukemia cells." Blood. (in press). (1998)
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[Publications] Tanaka,Y., Eto,S. 他: "Modulation of cytokine function by heparan sulfate proteoglycans:sophisticated models for the regulation of cellular responses to cytokines." Proc.Assoc.Am.physicians. (in press). (1998)
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[Publications] Tsukada,J., Eto,S. 他: "HTLV-I Tax transactivates the promotor of human pro-IL-Iβ gene through association with two transcription factors,NF-IL6 and Spi-1" Blood. 90・8. 3142-3153 (1997)
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[Publications] Tanaka,Y., Eto,S. 他: "Distinctive phenotype of leukemic T cells with various tissue tropism" J.Immunology. 158・8. 3822-3829 (1997)
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[Publications] Tanaka,Y., Eto,S. 他: "Heparan sulfate proteoglycan on leukemic cells is primarily involved in integrin-triggering and its mediated adhesion to endotherial cells." J.Exp.Med.184・11. 1987-1997 (1997)