1999 Fiscal Year Annual Research Report
腎機能関連蛋白の遺伝子発現調節に関する研究(副題:腎に発現する受容体、チャネル、トランスポーターの機能発現に関する検討)
Project/Area Number |
09470236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 和久 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (40260426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 明 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90270834)
伊藤 貞嘉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
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Keywords | トロンボキサン / アンジオテンシン / Naclトランスポーター / ステロイド / マクロファージ / 転写因子 / Nrf2 / PPARγ |
Research Abstract |
本年度は以下の三つのプロジェクトについて検討し、成果を挙げた。 1)サイアザイド感受性Na-Clトランスポーター(TSC)遺伝子の発現調節に関する研究:TSC遭伝子の転写発現調節領域をクローニングに、その構造、基礎転写機能を解析した。次に、ステロイドによる、発現調節について検討したところ、TSC遺伝子転写はグルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、エストローゲンによって活性化されることが示された。これはこれらのホルモンによるNaCl貯留がTSC遺伝子発現増強に一つの起因がありうることを示唆している。また、この転写調節領域には遠位曲尿細管特異的に発現する転写因子HFH-3が給合しうることを示し、これがTSC遺伝子転写を活性化しうることを明らかにした。さらに、現在、このTSC遺伝子プロモーターを利用したトランスジェニックラットを作成し、この組織依存性プロモーターの機能について動物レベルで検討している。 2)トロンボキサン(TX)系へのPPARの関与:TX系すなわちTX受容体ならびに合成酵素は、腎血管系に作用し腎機能調節に預かっている分子であるが、この遺伝子の転写調節へのPPARγの関与ならびにその分子機構を検討した。その結果、TX合成酵素はマクロファージ細胞において転写依存性に発現が多く、またPPARγ活性化によって転写性に発現抑制を受けた。この機構にはNrf2という転写因子がPPARγと相互作用をおこし、Nrf2の転写作用を抑制機構が働いていることを解明した。また、TX受容体遺伝子はPPARγ活性化によって、同様に抑制を受けるが、この機能にはSp-1活性化において必要なCBP因子のPPARγによる不活性化が関与していることが明らかとなった。 3)アンジオテンシン(AT)遺伝子発現調節:AT遺伝子発現を負に調節する因子として、インターフェロン(IFN)やPPARに着目し検討した。その結果、AT受容体はIFNγによってMAPKK依存性に転写抑制をもたらすこと、またPPARγ活性化によってSp-1依存性に転写が抑制されることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ogawa S.,Takeuchi K. et al.: "The 5-HT_2 receptor antagonist sarpogrelate reduces plasma and urinary levels of thromboxane A2 and improves microalbuminurai in non-insuli dependent dibetes mellitus patients"Clin Exp Physiol Pharmacol. 26. 461-464 (1999)
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[Publications] Ikeda Y.,Takeuchi K.,Kato T.,Taniyama Y.,Sato K.,Sugawara A.,Ito S.: "Transcriptional supression of angiotensin AT1a receptor gene expression by interfreron-γ in vascular smooth muscle cells"Biochem Biophys Res Comm. 262. 494-498 (1999)
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[Publications] Ogawa S.,Takeuchi K.,Sugimura K.,Fukuda M.,Lee R.,Ito S.,Sato T.: "Bezafibrate reduces blood glucose in type-2 diabetes mellitus"Metabolism. (in press). (1999)
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[Publications] Taniyama Y.,Takeuchi K.,Sugawara A.,Ikeda Y.,Sato K.,Ito S.: "Loss of function by a mutation in thiazide-sensitive Na-Cl cotransporter found in Gitelman's syndrome"In: Control and Diseases of Sodium Dependent Transporter Proteins and Ion Channels. (in press). (2000)
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[Publications] Taniyama Y.,Takeuchi K.,Sugawara A.,Ikeda Y.,Ito S.: "Effect of steroid hormones on gene transcription of thiazide-sensitive Na-Cl cotransporter"In: Control and Diseases of Sodium Dependent Transporter Proteins and Ion Channels. (in press). (2000)
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[Publications] 竹内和久: "Peroxisome proliferator-acitvated receptor (PPAR) と動脈硬化"最新医学. 54. 139-143 (1999)