1998 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞型肺癌における末梢血を用いた分子生物学的診断法に関する研究
Project/Area Number |
09470246
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 直彦 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (10283269)
藤森 実 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (00262725)
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
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Keywords | 非小細胞型肺癌 / 遺伝子変異 / 末梢血遊離DNA / p53 / CGH |
Research Abstract |
1.本年度中に実施し終えた事: 肺癌において高頻度に認められるp53遺伝子の点変異について着目した。肺腫瘍組織12サンプルを用いて、p53遺伝子変異を検索した。p53遺伝子の変異のhot spotであるexon5からexon8の領域をPCR法にて増幅し、同領域内での遺伝子変異の有無についてSSCP法で異常を検出し、direct sequence法にて変異を検出した。12例中8症例において同領域内に変異を検出し得た。これらの患者からの末梢血遊離DNA中に同一の変異が認められるかどうかについて検討したが、血清DNAからのPCRはproductが十分に得られず、direct sequenceが困難であり、同一遺伝子変異の検出はできなかった。 2.本年度中に開始し、実験中の事: これまでに非小細胞型肺癌で報告のない遺伝子変異領域を新たに見い出す目的でcomparative genomic hybridization(CGH)法を用いて、肺癌組織と、これに対応する正常組織との染色体とを比較検討している。当初検討した実験プロトコール(東大医科学研究所の方法)ではDNAaseの濃度調整が難しく、比較検討するデータがなかなか出せなかったが、Vysis社による新しい反応用キットとプロトコールにより、解析可能なデータが得られるようになった。今後症例数を重ね検討していく。 3.来年度に実施予定の事: comparative genomic hybridization(CGH)法を用いて、検討する症例数を増やし、肺高分化型腺癌における染色体上の変異の検索をすすめる。
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