1999 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞型肺癌における末梢血を用いた分子生物学的診断法に関する研究
Project/Area Number |
09470246
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Research Institution | Shinshu University, School of Medicine |
Principal Investigator |
天野 純 信州大学, 医学部・第二外科, 教授 (20138283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢満田 健 信州大学, 医学部・第二外科, 助手 (20273089)
藤森 実 信州大学, 医学部・附属病院・第二外科, 助手 (00262725)
福嶋 義光 信州大学, 医学部・衛生学, 教授 (70273084)
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Keywords | 非小細胞型肺癌 / 肺高分化型腺癌 / CGH / 胃癌 / 乳癌 / 心臓粘液腫 |
Research Abstract |
1.本年度中に実施した事:これまでに非小細胞型肺癌で報告のない遺伝子変異領域を新たに見い出す目的でcomparative genomic hybridization(CGH)法を用いて染色体レベルでの遺伝子の増減の変異の検索を試みた。昨年実施した実験プロトコール(東大医科学研究所の方法)で染色体解析ができる強度のシグナルが得られなかったため、これを改変し、Vysis社による新しい反応用キットとプロトコールにより実験をすすめた。(別途研究成果報告書に示した通り)一時、解析可能な強度のデータが得られるようになったため実験をさらにすすめたが、本実験系自体が極めて不安定であり、同じ検体を用いて複数回の実験を行っても得られる結果に再現性がなく、それ以降の考察に耐えられないと判断せざるを得なかった。これは別の症例から得られたDNAを用いた実験群も同様に不安定であり、実験手技やプロトコールの調整を何度となく試みたが現存する方法では良好な結果がえられる可能性が少ないことが示唆された。 2.本年度までに副次的に実施した事:当初の本研究の目的ではなかったが、本研究において用いたPCRおよびsequence解析法、マイクロサテライトマーカーによる遺伝子変異検出等の実験技術手技、および本研究における設備備品は、われわれが同時期にすすめていた他の疾患に対する分子生物学的研究にとってきわめて有用であった。それらは、胃癌組織における第一染色体短腕の解析、乳癌組織での多剤耐性遺伝子発現の検討、心臓粘液腫の血管新生に関する分子生物学的な検討、等であり、別途、研究成果報告書に記載した結果を得ている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kono T: "Expresslon of vascular endothellal growth factor and anglogenesis in cardlac myxoma"J Thorac Cardiovasc Surg. 119(1). 101-107 (2000)
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[Publications] 花岡孝臣: "非小細胞肺癌における血清DNAを用いたマイクロサテライト変異の検討"信州医誌. 47(6). 489-495 (1999)