1997 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植におけるグラフトへの炎症抑制性サイトカイン遺伝子導入療法の開発
Project/Area Number |
09470257
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
若林 剛 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50175064)
松本 賢治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20129662)
島津 元秀 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70124948)
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Keywords | 肝移植 / サイトカイン / 遺伝子導入 / アデノウイルスベクター / 部分肝移植 / IL-1Ra |
Research Abstract |
1)ヒトIL-1Ra cDNAの精製 2)組換えアデノウイルスの作成 3)In vitroにおけるIL-1Ra遺伝子の導入と発現の検討 4)ラット肝へのin vivo遺伝子導入と発現の検討 5)ラット肝虚血再灌流モデルにおけるIL-1Ra遺伝子の導入による再灌流障害抑制効果の検討 これまでの研究によって、recombinant IL-1Ra40mg/kgの門脈内注入によって再灌流障害の抑制が確認されているため、まず予備実験としてこの条件での血清中のIL-1Ra値を測定した。その結果、投与後5分の時点での血清IL-1Ra濃度の最高値は、2.86ng/mlであった。したがって、リポソーム法、組換えアデノウイルス法とも、十分に再灌流障害を抑制し得る濃度が得られているものと考えられた。 まずリポソーム法にて100μgIL-1Ra DNAを門脈内注入し、24時間後に再開腹して肝80%90分虚血再灌流を行い、0分および180分の時点での血清ALT、ASTを測定したところ、ALTは0分で217.8±97.5IU/L(対照642.8±427.5IU/L,NS)、180分で1420.3±358.5IU/L(対照5247.3±3318.8IU/L,P<0.05)、ASTは0分で162.0±48.6IU/L(対照453.0±372.7IU/L,NS)、180分で1664.0±473.1IU/L(対照5863.2±3932.7IU/L,P<0.05)と、IL-Ra導入群で180分において有意に障害が抑制されていた。 また同モデルで血清rat TNFをELISA法にて測定したところ、0分で47.50±4.53pg/ml(対照37.79±7.01pg/ml,NS)P<0.05180分で71.34±13.75pg/ml(対照110.73±33.66pg/ml,P<0.05)と、IL-1Ra導入群でやはり有意に抑制効果が認められた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] SHITO M.: "Interleukin 1receptor blockade reduces tumor recrosis factor production,tissue injury,and mortality after hepatic ischemia-reporfusion in the rat." Transplantation. 63.1. 143-148 (1997)
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[Publications] 若林剛: "抗サイトカイン療法の理論的根拠と臨床展望" 医学のあゆみ. 181.1. 108-112 (1997)
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[Publications] 若林剛: "サイトカインと術後臓器障害" 臨床外科. 52.5. 575-580 (1997)
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[Publications] CARVALHO L.G.: "Anti-interleukin-8 monoclonal antibody reduces free radical production and improves hemodynamics and survival rate in rabbit" Surgery. 122.1. 60-68 (1997)
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[Publications] SHIRASUGI N.: "Up-regulation of oxygen-derived Free radicals by inteleukin-1 in hepatic ischemia/reperfusion injury." Transplantation. 64.10. 1398-1403 (1997)
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[Publications] 若林剛: "SIRSにおける抗サイトカイン療法" JOHNS. 14.3. 419-423 (1998)
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[Publications] 若林剛: "炎症細胞とサイトカイン" 医歯薬出版株式会社 監修・編集 玉熊正悦, 600 (1997)
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[Publications] 若林剛: "抗サイトカイン療法による敗血症性ショック治療の試み" 株式会社医薬ジャーナル社 今西二郎 笹田昌孝編, 275 (1998)