1997 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子受容体を分子標的としたヒト融合タンパクによる新しい治療薬の開発
Project/Area Number |
09470258
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50142419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 哲章 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50276268)
渡辺 靖夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20265846)
小澤 壮治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10169287)
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Keywords | EGF-RNase / IL-2・RNase / リコンビナントタンパク / 抗癌剤 / 免疫抑制剤 / 抗炎症剤 |
Research Abstract |
本年度の研究による進歩により以下の点が明らかにされた。 1。ヒトEGF・RNaseリコンビナントタンパクのEGF受容体過剰発現癌細胞株に対する殺細胞効果はRNA合成阻害剤であるアクチノマイシンDや5FUを添加するとその効果は増強された。 2。ヒトIL-2・RNaseリコンビナントタンパクを種々の白血病細胞に投与するとIL-2受容体を過剰発現しているadult T cell leukemiaであるMJとOKM-3には濃度に依存した殺細胞効果が認められたが、IL-2受容体を発現していないMOLT-4にはなんら殺細胞効果を示さなかった。 3。ヒトIL-2・RNaseリコンビナントタンパクの上記の殺細胞効果もアクチノマイシンDや5FUにより増強された。 4。ヒトIL-2・RNaseリコンビナントタンパクをHLAタイピングの異なる健常成人から得られたリンパ球を用いて混合リンパ球試験を行い、この培養液に本タンパクを添加したところ、濃度に依存した殺細胞効果が認められた。 5。EGFと化学的に結合させた融合タンパクで、RNaseファミリーの殺細胞効果を比較検討した結果、RNase inhibitorが結合するN端側7個のアミノ酸を削除したRNaseの効果が最も強力であり、IC_<50>はRNaseに比較して10分の1であった。今後は本タンパクを用いた融合タンパクを作製したいと考えている。 6。ヒトIL-2・RNaseリコンビナントタンパクを悪性リュウマチ患者から生倹により得られたパンヌスの器官培養に添加すると著明な抗炎症作用が認められた。
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[Publications] T.Suwa: "MRI of esophageal squamous cell carcinoma using magnetic particles coated with anti-EGF receptor antibody." Int.J.Cancer. 75. 626-634 (1998)
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[Publications] M.Ueda: "Molecular targeting for EGF receptor expressed on breast cancer cells by human fusion protein." Breast Cancer. 4. 253-255 (1997)
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[Publications] Y.Kaneta: "Effects of gelonin conjugate with monoclonal antibody MSN-1 and endometrial adenocarcinoma in vitro." Oncology Report. 4. 331-336 (1997)
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[Publications] T.Takeuchi: "Altered p16/MTS1/COKN2 and cyclinD1/pRAD-1 gene expression is associated with prognasis of squamous cell carcinoma of the esophagus." Clin.Cancer Res.3. 2229-2236 (1997)