1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470262
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小暮 公孝 群馬大学, 医学部, 講師 (80143220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Keywords | 遺伝子導入 / アクチビン / TGF-β受容体 / フォリスタチン / 肝再生 / 肝移植 |
Research Abstract |
肝硬変を伴った肝癌に対し有効な肝再生促進法あれば広範な肝切除が可能になり根治手術の幅が広がる、また、生体肝移植においても小さな移植肝グラフトの再生を促進させることで手術の安全性を高めることが可能となる。肝臓にはアクチビンAの他にTGF-bという増殖抑制因子がある。TGF-bは肝非実質細胞および実質細胞において産生されることが知られている。従って、アクチビンAだけでなくTGF-bの作用をも制御できればさらに有効な肝再生促進作用が得られるのではないかと推測される。アクチビンAおよびTGF-bの作用をブロックする方法として、これらの因子の作用を細胞内へ伝達する受容体の遺伝子に変異を起こして作用を発揮できなくする方法がある。アクチビンAおよびTGF-bの受容体は細胞内ドメインにセリン.スレオニン活性を持ちそれぞれ1型キナーゼおよび2型のサブユニットからなる。リガンドはまず2型受容体に結合し、それが1型キナーゼを燐酸化して活性化される。既に、我々アクチビン2型受容体およびTGF-b2型受容体キナーゼ部分を欠失した変異遺伝子を作成しそれぞれ作成し、これを正常の肝細胞株であるASL12細胞にトランスフェクションした結果、変異受容体を過剰発現した細胞においては投与したアクチビンAやTGF-bの増殖抑制作用が完全に消失し細胞の増殖スピードは親株細胞よりも遙かに速いことを明らかにしている。本年度はアクチビンA変異受容体遺伝子を肝臓に導入するためのベクターを作成し、遺伝子導入に関して検討する計画を立てた。現在、変異アクチビンA受容体遺伝子を組み込んだアデノウイルス.ベクターを作成することができたので、これを用いて門脈からの有効な遺伝子導入方法を検討する準備を行っている。この様な方法が確立されたならば次に、実際の肝切除後の残存肝に変異遺伝子を導入し、その効果を検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Immediate onset of DNA synthesis induced by intraportally administrated follistatin in 90% hepatectomized rats" Abstract(37th World Congress of International Society of Surgery). 6-6 (1997)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Uric acid changes in serum during different forms of hepatic vascular inflow occlusion" Life Science. 60(20). 1781-1791 (1997)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Intravenous administration of Follistatin;Delivery to the liver and effect of liver regeneration in 70% hepatectomized rats." Abstract(15th International Congress of Digestive Surgery). 105-105 (1996)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Effect of Follistatin on liver regeneration after 90% hepatectomy in the rat." Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery. 3(3). 367-367 (1996)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Intravenous administration of follistatin:Delivery to the liver and effect on liver regeneration after partial hepatectomy" Hepatology. 24(2). 361-366 (1996)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "A single intraportal administration of follistatin accelerates liver regeneration in partially hepatectomized rats." Gastroenterology. 108. 1136-1142 (1995)