1998 Fiscal Year Annual Research Report
進行消化器癌の長期寛解導入を目指した経皮的臓器灌流化学療法の新展開
Project/Area Number |
09470267
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
具 英成 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40195615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 武 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
富永 正寛 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (70188796)
黒田 嘉和 神戸大学, 医学部, 教授 (70178143)
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Keywords | 経皮的肝灌流 / adriamycin / 大腸癌肝転移 / cisplatin / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
平成10年度までの経皮的肝灌流(Percutaneous isolated hepatic perfusion,PIH)による肝細胞癌および大腸癌肝転移の治験例の集積により本療法の有効性と安全域をより明確にすることができた。まず本療法の有効性についてはscage IV肝細胞癌治療例36例において奏効率は60%に達し、5年生存率が32%と長期予後の改善が得られることが判明した。また安全域について、adriamycin(60-100mg/m2)を用いた場合は、最高4回までの本療法の反復治療が可能であるが、治療回数が3-4回に及ぶ例では、骨髄抑制がより顕著となり、治療前の白血球数により抗癌剤の減量が必要なことが示された。一方、大腸癌肝転移症例12例を対象としたcisplatin(150-200mg/m2)の治験では、大半の症例において2回までの本療法の反復は安全に実施でき、有効例では奏効期間が延長することが示された。しかし12例中2例の反復例において、治療後一時的に、血清クレアチニンが3〜5mg/dLまで上昇する例があった。従って、治療前の腎機能評価を厳密に行い、腎機能不良例では、投与量の減量が必要との結論を得た。また肝細胞癌例では、切除率を向上させ、局所制御効果を改善する目的で外科的減量切除にPIHPを併用する2段階治療を導入するとともに、肝切除後の再発高危険群を設定し、randomized studyにて本療法による再発予防効果を検討しているところである。これらの研究課題については、次年度も積極的に症例を集積し、明確な結論を得たいと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Ku: "Induction of long-term remission in advanced hepatocellular carcinoma with percutaneous isolated liver chemoperfusion" Annals of Surgery. 227・4. 519-526 (1998)
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[Publications] T.Iwasaki: "Regional pharmacokinetics of doxorubicin following hepatic arterial and portal venous administration" Cancer Research. 58・8. 3339-3343 (1998)
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[Publications] M.Tominaga: "Resection of pheochromocytoma under inferior vena caval isolation and axtracorporeal charcoal hemoperfusion" Archives of Surgery. 133・9. 1016-1018 (1998)
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[Publications] 具 英成: "肝癌の低侵襲性外科治療-経皮的肝灌流による高用量化学療法" 日本醫事新報. 3865. 26-32 (1998)
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[Publications] 具 英成: "多発進行肝細胞癌に対する肝切除と経皮的肝灌流化学療法 (PIHP) の2段階治療" 臨床外科. 53・11. 1457-1461 (1998)