1997 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン・ケモカイン遺伝子導入癌細胞を用いた消化器癌遺伝子療法の開発
Project/Area Number |
09470268
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
硲 彰一 山口大学, 医学部, 助手 (50253159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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Keywords | gene therapy / immunotherapy / inter lerkin-18 / mouse / Vaccination |
Research Abstract |
(方法)LPS刺激マウス脾細胞から抽出したtotal RNAより、RT-PCR法にてmIL-18 cDNAを増幅し、これをpCl-neo Vectorに組み込みIL-18発現ベクターを作製した。lipofection法により上記2種類の細胞に遺伝子導入し、それぞれをMeth-A/IL-18,colon-26/IL-18とした。Meth-AあるいはMeth-A/IL-18では2×10^6個/マウス、colon26あるいはcolon-26/IL-18では2×10^5個/マウスを、それぞれ7週齢BALB/c miceの右下腹部皮下に移植し、経時的に腫瘍体積を測定した。 (結果)Meth-A/IL-18およびMeth-Aの腫瘍体積は移植後7日目までは同程度(それぞれ、104±30、103±62(mm^3))であったが、その後、Meth-Aは増大し続けたのに対し、Meth-A/IL-18では次第に縮小し、移植後15日目に、すべての腫瘍が拒絶された。一方、colon26/IL-18では、colon26に比較して移植7日目までは増殖に差を認めなかったが(12±6、14±5)、移植21日目(137±98、1331±509:p<0.01)以降では、colon26/IL-18の増殖は有意に抑制された。 考察および結語)IL-18遺伝子導入により、Meth-Aでは完全な腫瘍拒絶が得られ、また低免疫原性腫瘍であるcolon26においても増殖抑制が認められたことから、IL-18遺伝子導入は癌免疫療法において新たなる選択枝の一つとなると思われた。
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[Publications] 硲 彰一, 吉村 清 他: "IL-18遺伝子導入腫瘍細胞を用いた癌免疫遺伝子療法の検討" Biotherapy. 12(5)(in press). (1998)
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[Publications] 硲 彰一, 他: "新しいサイトカイン(IL-15,IL-18)を用いた癌免疫遺伝子療法の検討" 日本外科学会雑誌. 99(2)(in press). (1998)