1998 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス発生とミトコンドリア・マトリックス物質bc1-2との関連に関する研究
Project/Area Number |
09470270
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
北澤 康秀 関西医科大学, 医学部, 講師 (10140261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 直志 関西医科大学, 医学部, 講師 (00155053)
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Keywords | アポトーシス / ミトコンドリア / bcl-2 / チトクローム C |
Research Abstract |
ミトコンドリア電子伝達鎖構成物質の一つであるcytochrome cが細胞質中に流出しcaspase 3を活性化することが、多くのアボトーシス進行時の共通経路に組み込まれていることが最近の研究により明らかになりつつある。私は、今回平常なL929(線維芽細胞)、MDCK(腎上皮細胞)細胞を用いcytochrome c(最終濃度 10-100 uM)をmicroinjection(Eppendorf 5242; Eppendorf,Hamburg)したところ2時間後に典型的なアボトーシスの形態を示すことを確認した。1%sulforhodamine 101をcytochrome cと共にInjectionすることによりmicroinjectionを行った細胞を非投与細胞と鑑別した。倒立型共焦点レーザー蛍光顕微鏡(LSM-GB200;オリンパス)を用い観察を行ったところアボトージス小体を認めた。形態観察以外に、1μg/ml Hoechst 33258にて核を染色したところ、アボトーシスに典型的な核の断片化、凝集像を確認しえた。またFITC標識annexin Vで、細胞膜周囲におけるannexinの出現も確認した。Cytochrome c投与によって誘導したアボトーシスがcaspase 3依存性か否かを確認するためcaspase 3阻害剤であるAc-DEVD-choをmedium中に前処置して同様にmicroinjectionを行ったところアボトーシスの発生が完全に抑制きれた。以上の結果よりアボトーシスを誘導する様々な刺激は、最終的にミトコンドリア異常を惹起させることによりcytophrome c放出を促しcaspase 3活性化を経てアボトーシスを引き起こすと考えられた。現在cytochrome c放出が生じる機序としてミトコンドリア内膜透過性亢進が主因であると推察し、その特異的阻害剤であるcyclosporin Aを使用しての検討を開始している。
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