1997 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素化合物の心臓外科への応用-体外循環中および虚血心の心機能保全効果について-
Project/Area Number |
09470278
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 雄一郎 広島大学, 医学部, 教授 (80190403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 泰二郎 広島大学, 医学部, 助教授 (10162835)
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Keywords | 心阻血・再潅流 / フッ素化合物乳剤 / 体外循環 / 心力学的解析 |
Research Abstract |
1.サポートラット(Lewis rat)からの血流で同種ラットの心臓を血流潅流するisolated heart perfusion modelを用いた拍動下での心阻血・再潅流実験系で、生理学的パラメーターの測定を行うべく研究努力を行っている。しかし、ラットでの心臓の力学的機能解析を心室容積測定装置(ユニークメディカル社、インテグラル3;コンダクタンスカテーテル法のより心室容積および圧容積ループを連続して測定する装置)を用いて、LVDP,peak positive dP/dt,peak negative dP/dt,diastolic compliance測定を行うという手技上の問題点を全て解決することができておらず現在も改善すべく研究努力を続けている。 2.平成10年度には小動物(ラット)による研究計画と並行して、中動物(ビ-グル成犬)を用いて体外循環時の心機能保全効果実験を開始する予定にしている。実験内容はラットの場合と同様に、フッ素化合物乳剤FC43se(perfluorotributylamine/pluronic F-68 stem emulsion)を投与することが、阻血再潅流した心臓の機能保全効果を示すかについての実験を行う。中動物においては、実験に人工心肺装置を装着した実験系が可能であり、更に小動物で生じた生理学的パラメーター測定のための微細な外科手技状の問題点のいくつかは克服されることが期待される。予備的実験検討において心臓の力学的機能解析が可能であることは確認された段階に達している。 上記の如く、提出した計画に沿い研究努力を続けているが、残念ながら現在までに充分な研究成果を得るに至っていない。今後も検討努力を重ねていく所存である。
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