1998 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素化合物の心臓外科への応用-体外循環中および虚血心の心機能保全効果について-
Project/Area Number |
09470278
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松浦 雄一郎 広島大学, 医学部, 教授 (80190403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 泰二郎 広島大学, 医学部, 助教授 (10162835)
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Keywords | 心阻血・再灌流 / フッ素化合物乳剤 / 体外循環 / 心力学的解析 |
Research Abstract |
ビーグル成犬を用いフッ素化合物乳剤FC43se(perfluorotributylamine/pluronic F-68 stem emulsion)投与が、体外循環(人工心肺回路)後に阻血再灌流した心臓の機能保全効果を示すかを検討した。[方法]成犬で60分間の体外循環を行い、36℃復温後に30分間の温阻血負荷後に自己拍動再開させ、30,60分後の(ESPVR=Emax,peak positive dP/dt)測定し、ポンプ前値との変化率(回復率)を計測。コントロール(C)群(n=19)は再灌流直前に冠動脈内に生理食塩水10mlを、FC43se投与(FC)群(n=14)は10mlのFC43seを投与した。また30,60分後の病理検討を加えた。[結果]1.ESPVR=Emax:FC群(前値19.0±1.7mmHg/ml,30分後値14.2±1.4;回復率73.4±11.3%,60分後値18.2±2.7;回復率96.0±7.1%)、C群(前値20.5±3.4,30分後値10.7±2.0;回復率52.9±11.4%,60分後値18.2±3.9;回復率88.9±8.1%)で30分後値で2群間に差を認めた。2.max dp/dt:FC群(前値3555.3±349.3 mmHg/s,30分後値2119.4±536.2;回復率59.9±14.5%,60分後値2859.7±126.4;回復率81.2±15.9%)、C群(前値2834.1±427.6,30分後値1357.5±107.6;回復率49.8±20.3%,60分後値2436.0±142.7;回復率85.9±16.9%)で30分、60分後値とも2群間に差を認めなかった。病理像では各時間において2群間での差は認められなかった。[結論]FC43se投与は体外循環後、早期の心機能回復効果を持つ可能性が示唆されたが、充分な効果を証明し得なかった。
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