1998 Fiscal Year Annual Research Report
Microgliaとspreading depressionの神経損傷への影響
Project/Area Number |
09470289
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山浦 晶 千葉大学, 医学部, 教授 (40009717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 尚之 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (80241967)
平井 伸治 千葉大学, 医学部, 助手 (40272330)
岩立 康男 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (70272309)
山上 岩男 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (90241968)
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Keywords | 頭部外傷 / fluid-percussion injury / microglia / 軸索損傷 / FK506 |
Research Abstract |
本年度はまず、千葉大式脳外傷作成装置が老朽化し受傷時の生理反応や頭部外傷の重症度にばらつきが多くなったため、外傷作成装置の改良を行った。頭部に衝撃圧を伝える管を短くし、管と頭部との固定を改良することによりより一定した頭部外傷の作成が可能となった。この改良型千葉大式fluid-percussion装置を用い、雄性Sprague-Dawleyラット(350-400g)に抱水クロラール麻酔下に左側頭部に直径4mmの骨窓を設け、硬膜外から水の衝撃圧による頭部外傷を作成した。外傷後1、3、7日後に深麻酔下に4%パラホルムアルデヒドを用い潅流固定し、ミクログリアの反応を抗OX42、アストロサイトの反応を抗 GFAP抗体、また軸索損傷を抗アルツハイマー前駆蛋白(APP)抗体により、免疫組織化学的染色を行った。OX42陽性のミクログリアは、外傷部位の皮質、外傷側の海馬CA1内側、CA3、歯状回、視床に認められた。視床は、他部位に比較し、OX42陽性ミクログリアの発現のピークが遅延しており、7日目で最も多くの陽性細胞が認められた。GFAP陽性の反応性アストロサイトは、3日目をピークに、外傷側半球を中心に認められた。軸索損傷の視標である顆粒状のAPPの蓄積は、7日目の観察で外傷側脳梁、外包、帯状回背側部、視床にかけて認められた。 以上の結果より、外傷による損傷脳、特に視床における軸索損傷には、ミクログリアの活性化が影響を与えている可能性が示唆された。また、免疫抑制剤 FK506の損傷脳に対する保護効果について、脳の免疫担当細胞であるミクログリアの受傷後の反応、軸索損傷および神経細胞死とを中心に観察を開始したところである。
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